河村たかし市長〝メダルかじり〟の根底にある女性蔑視 お茶出し男性見て「恥ずかしい」

〝余罪〟続々の河村市長

名古屋市の河村たかし市長(72)による〝メダルかじり騒動〟が波紋を広げている。同市長がソフトボール日本代表・後藤希友投手(トヨタ自動車)の金メダルを噛んだことで多くのメダリストから非難の声が噴出。市役所には3000件以上の苦情が殺到し、同市長は謝罪するハメになったが、以前からその人間性には疑問符がついていたという。

河村市長が〝暴挙〟に出たのは4日、名古屋市出身の後藤が市役所を表敬訪問した時のことだ。同市長は後藤から首にかけられた金メダルを手にとると、おもむろにマスクを外してガブリ。無神経ぶりに加え、新型コロナウイルスの感染対策上、大いに問題がある。

これにメダリストたちも続々と批判の意思を表明した。柔道男子60キロ級で金メダルを獲得した高藤直寿(パーク24)は自身のSNSで「俺だったら泣く」。名古屋市民からも「本当に恥さらし。ありえない」「名古屋市民として恥ずかしい。こんな形で全国のニュースになってしまって」と苦言が相次いだ。

河村市長がことの重大さに気付いたのは、後藤の所属先であるトヨタ自動車が「不適切かつあるまじき行為」と異例のコメントを発表したことだ。地元愛知の世界的大企業を怒らせたことで、河村市長は5日、報道陣の前で「長年の努力の結晶である金メダルを汚す行為。心からおわびします」と陳謝。日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長には詫びの電話を入れた。

とはいえ、騒動はこれで終わりそうもない。河村市長の問題言動は今回ばかりではないからだ。地元のある医療関係者の話。

「知人が河村市長と市役所でお会いした際に、男性職員がお茶を出したら『なんで男がお茶を出しているんだ、恥ずかしい』と言っていたみたい。人権意識が低い。自分の興味のあることしかやらない。医療や福祉のことは軽視している」

別の関係者も「女性に対して、挨拶レベルで『恋愛してるか?』と聞いたり、『(カラダが)大きいな』とか平気で言う。デリカシーがなさすぎるんです」と同調する。

今回の〝メダルかじり〟でも一旦は「愛情表現だった」とセクハラまがいの釈明をしたことからも、その人間性はわかろうものだ。河村市長は自治体のトップとしての資質そのものを問われかねない。

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