ノアの未来を背負う若きエース、清宮海斗(25)が迷える胸中を吐露した。大スランプに陥ったのは今春ごろ。「プロレスとは何なのか」と自分を見失い、黒星が先行するようになった。2018年に最年少22歳でGHCヘビー級王者となった当時の自信はどこへやら。「もう、過去のことなので…」と首を振るばかりだ。
復調のきっかけにしたかったのが、1日にタッグ戦で激突したグレート・ムタだ。ところが「とにかく知らないことばかりで自分が未熟なんだと痛感するばかりでした。感情的になってイスで攻撃し、今までと違う自分を出すことはできたと思うんですが、それもムタの世界にすぎませんでした」と頭を抱える。
試合はムタが終始圧倒。最後はレフェリーに毒霧を吐き、負け以上に屈辱的な「反則勝ち」となった。その後、閃光魔術弾でKOされただけに悩みが深くなって当然だ。
ノアの旗揚げ記念大会2連戦初日(5日)の後楽園大会では、鈴木鼓太郎と組んでGHCヘビー級王者・丸藤正道、同ナショナル王者・杉浦貴と対戦。しかしいいところを出せず、パートナーの鼓太郎が杉浦に五輪予選スラムで沈められた。
清宮は「チャンスを何度ももらっているのに形になっていない。勝てば何か変わったというのをお客さんにも見せられるんですが…。何回やってるんだという、ふがいない気持ちです」とうなだれる。最後は「自分はノアの歴史をつくらないといけない。自分から動かないと」。トンネルを抜ける日は来るのか。悩めるのも若さの特権だが、果たして…。