【東京五輪】ロシア国営テレビがLGBTアスリートを中傷 トランスジェンダーを「サイコパス」呼ばわり

中傷の対象となったローレル・ハバード(ロイター)

東京五輪に出場したLGBTなど性的少数者の選手が、ロシア国営・政府系テレビの複数の番組内で中傷されて波紋が広がっている。

東京五輪では重量挙げ女子87キロ超級(2日)に五輪史上初めて男性から女性への性別変更を公表したトランスジェンダーのローレル・ハバード(ニュージーランド)が出場した。

英国BBC放送によれば、7月26日に国営テレビ内の討論番組で下院議員がハバードを指して「この汚らしい性的倒錯に強く反対する」と発言。男子シンクロ高飛び込みの英国代表で同性愛者を公表しているトーマス・デーリーにも非難の言葉を浴びせた。

また政府系テレビ局が7月20日に放送した討論番組でも別の下院議員が「(西側諸国が)平等の権利や、LGBTた他の変態の権利拡大といった課題を五輪運動に植え付けようとしている」などと主張。26日の放送回では司会者が三つ編みのカツラをかぶってハバードを中傷。トランスジェンダーを「サイコパス」と呼んだうえで「彼らは精神科医で治療されるべき」だと主張した。

五輪憲章はあらゆる差別を禁止しており、今回の報道に関連して国際オリンピック委員会(IOC)のアダムス広報部長は「全ての人に五輪大会の参加者を尊重するように求める」と述べたが、一方でロシアのように反LGBTの考えが根強い国は存在する。国際オリンピック委員会(IOC)は公式パートナー契約を結んでいる政府系テレビ局と接触し、詳しい状況を調べるとしている。

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