諫早市 「乳児・妊産婦専用 避難所」を新設 避難レベル3で開設

 長崎県諫早市は、市立諫早中央保育所(野中町)を大雨時などの「乳児・妊産婦専用避難所」とし、新たに運用を始めた。5段階の避難情報のうち、レベル3の「高齢者等避難」の発令段階で開設する。市によると、災害発生前に自治体が開設するのは県内で初めて。
 授乳や乳児の泣き声などを巡り、「一般の避難所には行きづらい」などと専用避難所を求める声が上がっていた。同保育所は授乳室などの設備が整っており、開設時は保健師か保育士(1人以上)を含む市職員を運営スタッフとして配置し直営する。
 対象はおおむね1歳3カ月までの乳幼児と、妊産婦。きょうだい児も受け入れる。付き添いは大人1人までとする。約150人が収容可能という。
 このほか、「高齢者等避難」発令時に市内14カ所の避難所を固定して一斉開設するよう運用を見直した。これまでは従来の「避難準備・高齢者等避難開始」(5月からの「高齢者等避難」に相当)発令時に、大雨などの状況に応じて地域ごとに順次開いていたが、14カ所を固定して一斉開設することで市民が把握しやすいようにした。レベル4の「避難指示」発令時には、状況を踏まえ追加開設していく。
 ペット同行避難所も新設。市民センター(東小路町)4階を専用避難所とするほか、14カ所のうちの、たらみ福祉活動センター(多良見町)と高来会館(高来町)でも指定のスペースで受け入れる。利用の際の詳しいルールを市のホームページに掲載している。
 避難所開設後の混雑状況をスマートフォンなどで確認できるシステムも導入。市総務課は「(専用避難所などの)スムーズな運営ができるかや、コロナ禍の中で避難スペースが十分に確保できるかなど今後、検証していく。早めの避難について市民の意識付けも図っていきたい」としている。
 「乳児・妊産婦専用避難所」の利用には事前登録が必要。市すくすく広場(電0957.46.5276)。

© 株式会社長崎新聞社