戦争のない未来へ 小学生版手記を作製 長崎県諫早市9人の体験伝える

児童向けに編集した戦争・被爆体験集

 諫早市は、市民の戦争・被爆体験を収録した3集目の「戦争のない未来へ~子どもたちへの伝言~」について、児童向けに分かりやすく編集した小学生版(A4判、67ページ)を作製した。市は「戦争体験者や被爆者が高齢化する中、いかに次世代に継承していくかが課題。子どもたちにも読んでもらい、平和について考えるきっかけにしてほしい」としている。
 9人の体験を掲載した3集目は2018年11月に刊行。空襲や引き揚げ体験のほか、長崎で被爆した女性は「浦上川には、たくさんの人の死体、馬の死体がころがっていて、線路を歩いていく途中に見た風景は…もう、生き地獄です」と忘れられないあの日の記憶を伝えている。
 小学生版は全ての漢字に読み仮名を付け、「学徒動員」など103の語句について注釈を入れた。また、本人や遺族の承諾を得て、一般向けの当初の冊子では難しかった表現を数十カ所、平易な言葉に置き換えた。
 220部作製し、市内の小学校や図書館に配布。体験談は市のホームページでも公開している。市は引き続き、体験談を募っている。本人による手記が難しい場合は、聞き取りなどで対応する。問い合わせは市企画政策課(電0957.22.1500)。

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