〈なおえつうみまちアート〉水面が切り取る空の風景 船見公園 空間演出研究所「そらのみなと」 日没時さらに美しく

 上越市直江津地区で開会中の「なおえつ うみまちアート」船見公園周辺海岸会場に、空間演出研究所の「そらのみなと」が展示されている。波打ち際にステンレスの〝容器〟100個弱を設置。潮の満ち引きで容器に入った水が空の風景を反射する。日没時は特に美しく、夕日とともに眺める人が多く集まっている。

沈みゆく夕日が容器の水面にさまざまな景色を映し出す

 空間演出研究所は東京藝術大デザイン科第3研究室の学生を中心に構成している。これまでも水の反射を使った作品を手掛けているが、日本海側で制作するのは今回が初めて。所長を務める同大の鈴木太朗准教授は「日本海に沈む夕日の美しさを取り入れた作品を作りたかった」と話す。

 空の風景を一辺1・2メートルの容器に区切ることで、手に入れたような感覚を持ってもらうことが狙いだという。波や風、雲などによって一秒ごとに見える景色は変化し、遠くから眺めると、さまざまな空が点在しているように見える。

 容器の配置にこだわり、3DCGやドローンも活用して決めた。設置の工事には地元、直江津の住民のアドバイスや手伝いを受けた。鈴木准教授は「ここでなければ成立しない作品。夕日に注目し直すきっかけになれば」と話している。

日没を見に人々が集まっている

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