累計感染者9千人超 栃木県内新たに138人感染 病床使用率50% 新型コロナ、6日発表

県内の新型コロナウイルス感染者数

 栃木県と宇都宮市は6日、新たに138人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内の累計感染者数は9052人となり、8千人に達した7月29日からわずか8日間で千人増え、9千人を超えた。感染力の強い変異株「デルタ株」への置き換わりが進み、感染拡大に歯止めがかからない状況だ。病床使用率が50.4%となるなど、県の警戒度を判断する各指標は、7項目のうち5項目が最も深刻な「ステージ4」に達しており、予断を許さない状況が続く。

 年末年始にかけて発生した「第3波」で、2千人から3千人に増えた際に要した日数も8日だった。今回の第5波はデルタ株の広がりで、感染拡大のスピードがさらに加速する可能性もある。デルタ株の陽性率は2~4日の3日間で80.6%に達した。

 療養中の感染者のうち入院した人の割合を示す「入院率」は19.7%と2割を割り込み、5人に1人しか入院できない状況。人口10万人当たりの全療養者数(59.3人)や新規感染者数(41.5人)、直近1週間の検査陽性率(10.7%)もステージ4となっている。

 県は「まん延防止等重点措置」の適用が決定した5日、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)を受け、急を要しない予定入院や手術の延期など、一般医療の一部制限を検討した上でコロナ対応を強化するよう医療機関に通知した。

 7日からの3連休やお盆の時期を迎え人出の増加が懸念される中、県は県民に不要不急の外出の自粛を呼び掛けている。8日からは県内23市町の飲食店や大規模施設に午後8時までの営業時間短縮を求めるほか、酒類を提供しないよう要請する。

 6日の新規感染者は10歳未満~90代の男女。真岡市の事業所とさくら市の高齢者施設、宇都宮市の高校部活動で県内90~92例目となるクラスター(感染者集団)が確認された。県内の高齢者施設でのクラスターはワクチン接種が進んだ5月以降発生していなかったが、この施設では職員2人、入所者28人が感染。現時点で重症者はいない。

 デルタ株疑いは48人確認された。10歳未満~90代の男女で、29人が経路不明。

 県と宇都宮市は同日、計315件を検査(委託の未集計分は除く)。累計検査件数は35万8573件、退院者7827人、入院者235人、宿泊療養者144人、自宅療養者773人、入院調整中46人、重症者15人。

県内の新型コロナウイルス感染者(6日発表)

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