「自分たちの行動で決まる」 長崎大が感染推計公表 盆には140人到達か

本県の陽性報告数と今後の予測

 長崎大は6日、県内の新型コロナウイルスの新規感染者数について、市民同士の接触機会を7割減らせたとしても、盆の13日には140人に達するシミュレーションを公表した。感染力の強いデルタ株の影響が大きく、ワクチンの普及を考慮しても、大型連休ごろの第4波をはるかに超える感染者数と入院患者数が予想されるという。
 同大熱帯医学研究所の有吉紅也教授らでつくる疫学検討班がデルタ株への置き換わりの状況やワクチン接種率、効果などを踏まえて推計した。これまで1日当たりの県内感染者数が最も多かったのは5月8日の65人。
 推計によると、接触機会を6日から7割減らせた場合、感染者数(陽性報告数)は13日に140人に達した後、減少に転じる。入院患者数は少し遅れて20日に420人のピークを迎える。
 一方、接触機会が5割減にとどまった場合、感染者数は9月中に200人を突破すると予測。入院患者数は8月中に600人に到達し、県の病床確保計画の最大490床を超える。
 会見した有吉教授は推計の公表について「危機感を県民と共有するため。天気予報はわれわれで変えることはできないが、コロナ(の流行)は自分たちの行動で決まる」と強調した。
 接触機会7割減の目安については「第4波と同じ強度で行動制限をした場合」とした。その上で「行政の呼び掛けも大事だが、県民は自主的に行動を変えることで感染を減らしてきた実績がある」と期待した。
 県民の具体的な行動として「日常的に生活を共にしていない人との接触を8月は極力減らしてほしい」と要望。ワクチン接種を急ぐ必要性を訴えた。

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