自宅療養者にもパルスオキシメーターを! 重症者「悪化するときはあっという間」

自宅療養者へのフォローを語る小池百合子都知事

感染者数が増えるなか、新型コロナウイルスに感染して自宅療養となったら何に気を付ければいいのか? 参考になるのは血中の酸素飽和度だ。

重症者と重症化リスクの高い人以外は原則として自宅療養との方針を政府が打ち出したのは今月2日のこと。中等症も自宅療養になりかねないと不安と反発が広がり、5日になって田村憲久厚労相が「中等症は原則入院だ」と国会で強調。とはいえ、病床逼迫は差し迫っている。

新型コロナに感染して重症化した男性は「私も最初は自宅にいて、咳も痰もないし、のどの痛みもありませんでした。少し倦怠感があるくらいでほかには自覚症状がなく、自分では軽症だと思っていました。しかし病院で酸素飽和度を測ったら80%で、即入院が決まりました」と振り返る。

酸素飽和度が低いということは、酸素が血液を通って各臓器に行き渡っていないことになる。男性は「看護師さんは、80%前半だといろんな臓器に影響が出ると教えてくれました。入院中は常に酸素飽和度を測る機械(パルスオキシメーター)を着けていました。それほど重要な数値だったんです」(男性)

小池百合子東京都知事(69)は6日の会見で「自宅療養者のフォローアップ体制を拡充する」と語った。男性は「自治体にお願いしたいのは、自宅やホテルで療養する人たちにはパルスオキシメーターを配っておくことですね。90%を下回ったら危険なので、95%前後になったら入院を要求してもいいんじゃないかな。症状がなくてもこの数字で悪化具合が分かります。問題は悪化する時はあっという間なので余裕を持った方がいい」と経験を踏まえて指摘した。

都はパルスオキシメーターの貸し出しを行っているが、数に限りがあり、感染者が爆発的に増えた時に足りるかどうか。ツイッターでも購入報告が増えてきており、小池氏ら自治体の首長にはパルスオキシメーターの確保を期待したい。

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