【東京五輪】選手村脱走〝ビール買い出し〟 組織委「性悪説に立ってチェックしていない」

銀メダルを獲得したオーストラリアのホッケーチーム(ロイター)

国際オリンピック委員会(IOC)と東京五輪・パラリンピック組織委員会は7日、東京・江東区のメインプレスセンターで会見を行い、オーストラリアの男子ホッケー選手団の一部がビールを購入するために選手村を抜け出した騒動について言及した。

各国五輪委の連携を管轄するジェームズ・マクラウド氏は「この事象は承知している。オーストラリアのオリンピック委員会が速やかに対処してくれた。(選手は)自ら名乗り出たということだった」と〝バブル破り〟の事実を認めた。しかし、強制帰国や資格停止の処分は科せられていない。これについてマクラウド氏は「当該選手たちは隔離されたと聞いている。オーストラリアに速やかに帰国する手続きを取っている」と説明。その上で「プレーブックに従ってほしい。選手村の村長とNOC(各国・組織のオリンピック委員会)で細かく精査していきたい。選手は競技を終えたら48時間以内に出国しなければいけない。それをできるだけ遵守してほしいと伝えている」と話した。

選手村からの外出については「本邦活動計画書」に定められる用務先以外は認められず、これを破ると厳しいペナルティーが科せられる。しかし、現実的には選手に対して個別に行き先を確認していない。組織委の岩下剛警備局長は「不審な様子があればチェックするが、網羅的に全員に対して性悪説に立って行き先を聞く運用はしていない」と話している。

同国の男子ホッケー5選手はビールを購入するために選手村を抜け出していたことが7日までに分かっている。選手は叱責を受けて部屋に隔離されたという。コロナの検査は陰性だった。

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