【レスリング】須崎優衣 コーチも「100点」つけた完璧な決勝戦 3年後のパリ五輪にも “即答”

孫亜楠(下)を完封した須崎優衣

東京五輪レスリング女子50キロ級決勝(7日、幕張メッセ)を制して金メダルに輝いた須崎優衣(22=早大)が早くも次のステージへ歩き始めた。

決戦前、相手の孫亜楠(中国)を丸裸にした。「金メダルを取るために、ここまでやるかってくらい研究し、対策しました」(須崎)。相手の特徴に加え、スタートからの構え、手と頭の位置、どう攻めてポイントを取るかなどの要点を文字でまとめた。それを受け取った吉村祥子コーチは「私が書き出していたものと全て一致」と証言。さらに「彼女がその通りにやってくれた。100点満点をあげたい」と絶賛した。

そんな吉村コーチは試合後に涙。中学2年から指導する教え子が金メダリストとなったことに、言葉を詰まらせながら「ここで金を取れば次の人生のステップになる。今日が第1章。トゥ・ビー・コンティニューですけど」。そこまで言うと笑顔に変わった。

一方の須崎は「オリンピックチャンピオンとしてもっともっと強くなって、さらなる高みを目指していきたいと思います」と晴れやかな笑顔。記者団から「(2024年)パリ五輪は?」と水を向けられると、少し沈黙した後に「はい!(笑い)。ホントに簡単な道のりではないと思うので、もっともっと強くなって、また次も出場して金メダルを取れるように頑張ります」と言い切った。

第1章を締めくったこの日の夜、すでに第2章の幕は切られていた。

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