【侍ジャパン】伊藤が3戦無失点の好投でV貢献 SNSでは〝追いロジン〟がトレンド入り

ルーキーながら大役を果たした伊藤大海

またしてもルーキーが役割を果たした。東京五輪・野球の決勝・米国戦(横浜)が7日に行われ、7回から救援登板した伊藤大海投手(23=日本ハム)が1イニングを投げて無失点と好投。金メダル獲得に大きく貢献した。

1点リードの7回から3番手としてマウンドに上がった伊藤は、8番・アレンに左中間二塁打を放たれて一死二塁と、一打同点のピンチを招く。それでも冷静さを欠かさず、9番・ロペスをニゴロ、続くアルバレスを一ゴロに打ち取って見事危機を脱した。

続く8回にも回をまたいで登板したが、先頭打者のオースティンに左前打を打たれたところで降板。それでも、バトンを託された岩崎がしっかり無失点で切り抜けた。

試合後、伊藤は「まだ半年しかプロ野球の世界でやってない中で、誰もができる経験ではないっていうのをスタッフはじめ周りの選手の皆さんにさせてもらったので、これをまたチームに持ち帰って、これを還元するのも一つの役割だと思いますし、まだまだここから自分自身成長していけるようにやっていきたいです」と率直な喜びと目標を語った。

これで3試合、計5回0/3を投げて4安打5奪三振2四球の防御率0・00と、ルーキーながらも完ぺきな結果を残した伊藤。今大会ではその投球術だけでなく、新人離れしたマウンド度胸にも大きな注目が集まった。

4日の準決勝・韓国戦(横浜)で登板した際には、韓国ベンチから「滑り止めのロジンを過度に付けすぎている」との〝珍抗議〟を受けたが、正当性が認められると、その直後には「我関せず」の表情で再びロジンを手に取って指先へ入念にパフ。そのメンタリティには多くのファンから賛辞の声が送られた。

手の発汗が多い右腕は、この日も入念にロジンをタッチ。TV観戦で雄姿を見守っていた日本ハムのチームメート・西村天裕投手(28)からは、SNSを通して「頑張れひろくん!! #追いロジン」などと〝愛のイジリ〟も受けていた。西村以外にも、野球ファンの間で「追いロジン」が流行し、ツイッターのトレンド入りを果たすまでの人気ぶりとなったから驚きだ。

圧倒的な結果とそのメンタルの強さで、瞬く間にその人気と知名度を高めた道産子右腕。今後の更なる成長に目が離せなくなりそうだ。

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