ダニ・ペドロサ「すべてがうまくいき、かなりいい。開発に向けた次のステップはすでに明確」/MotoGP第10戦スティリアGP

 8月7日、オーストリアのレッドブル・リンクで行われた2021年MotoGP第10戦スティリアGP MotoGPクラスの予選で、ワイルドカード参戦しているダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)は14番手グリッドを獲得した。

 ペドロサは、2001年から2018年までロードレース世界選手権に参戦していたMotoGPレジェンドライダーだ。現役時代はすべてホンダのマシンに乗り、レプソル・ホンダ・チームから参戦したMotoGPクラスでは、13年間で31勝を含む112度の表彰台を獲得した。

 そして、現役引退後の2019年からはKTMのテストライダーに就任して、MotoGPマシンのKTM RC16の開発を担当。翌2020年にはペドロサのマシン開発が貢献して、KTMのライダーが優勝や表彰台を獲得する活躍を見せた。

 そして今回、ペドロサはKTMのテストライダーとして初めてワイルドカードで参戦することを決断。レース参戦の主な目的はテストとなり、レギュラー陣とはマシンの仕様が異なる2022年に向けた開発バージョンを駆っているが、やはりタイムや順位に注目が集まった。

KTM RC16を駆るダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2021MotoGP第10戦スティリアGP

 初日は、FP1で11番手、ウエットとなったFP2で21番手タイムを記録。2日目のFP3では12番手となり惜しくも予選Q2へのダイレクト進出を逃したが、FP4では6番手タイムをマークした。

 そして、予選Q1に出走すると1度目の走行で1分24秒115で5番手につけピットイン。2度目の走行ではラストラップに1分23秒730とタイムを上げたが4番手となり合計9ラップを走行した。予選Q2には進めなかったが、この結果により決勝は5列目14番手からスタートする。

 また、KTM勢ではミゲール・オリベイラが12番手、ブラッド・ビンダーが16番手、イケル・レクオーナが19番手、ダニロ・ペトルッチが22番手からスタートすることからレギュラー陣に引けを取らない走りを見せたことにある。

ダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2021MotoGP第10戦スティリアGP

 ペドロサは「今日は、まるで大きくて長い予選のようだった!午前から午後にかけて、それのみの精神状態でしかなかったよ」とセッションを振り返った。

「すべてがうまくいって、かなりいい感じだった。残念ながら、(総合12番手となり)ほんの少しの差でQ2にダイレクト進出を逃してしまった。僕たちはFP4に焦点を合わせて、少しだけレースシチュエーションでトレーニングを行った。自分のペースを他のライダーにマッチさせて、中間の順位にいることができたのは良かったね」

KTM RC16を駆るダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2021MotoGP第10戦スティリアGP

 また、開発に向けたテストとしての仕事については「非常にタイトなコースで、ひとつのコーナーでもワンミスをするとダメになるから、完璧なラップを記録するのは簡単ではない。まだレースは残っているが、自分が見たいと思っていたものはすでに感じ取れたよ」と語り、順調に進んでいる様子を伺わせた。

「(引退してから)レースに出ていない時期に見落としていたもの全体像が多かれ少なかれわかってきた。(開発に向けて)次のステップが何であるかは、すでに明確になっている」

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