「非常事態行動」の徹底を 長崎市内35施設休館へ 平和祈念式典は予定通り

 長崎市の田上富久市長は7日、臨時会見を開き、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、県外からの観光客が多く見込まれる観光施設など35カ所を、早ければ10日から休館すると発表した。県外由来の感染を防ぐ目的で、期間は23日まで。市民の利用が多い公民館や図書館などは感染対策を取った上で通常通り開館する。
 また、9日の平和祈念式典については既に規模を縮小するなど十分な対策を講じているとして、現時点で変更点はなく、予定通り開催する方針を示した。
 休館する施設は、グラバー園や出島、長崎原爆資料館、長崎ペンギン水族館、稲佐山公園など。それぞれの施設は指定管理者などと調整を進めており、準備ができ次第、休館に入る。このほか、「精霊流し」への参加を極力控えることや不要不急の県外との往来、家族以外との会食を自粛するよう求め、感染拡大を防ぐための「非常事態行動」の徹底を呼び掛けた。
 一方、祈念式典に従事する市職員ら約550人を抗原検査した結果、6日までに全員陰性だったことを報告。式典出席のため来県する各国大使らについては、なるべく宿泊するホテル内で食事を取るなど、市民との接触を避けるよう求めていることも明らかにした。
 田上市長は「第5波の入り口にいる」との認識を示し、「コロナ禍で観光関係事業者の苦労を考えると心苦しいが、施設を閉鎖し、今我慢することで、第5波をできるだけ短くしたい」と述べた。

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