【陸上】衝撃の結末だった男子400mリレー 「1人原則1種目」ルールは今後どうなる?

最強メンバーとうたわれた(左から)山県、桐生、小池、多田だったが…

〝あの戦略〟はどうなる!? 東京五輪は8日の閉会式で全日程が終了。1年延期となった大会は日本勢が計58個のメダルを獲得して列島を大いに盛り上げたが、不本意な結果に涙をのむ選手も少なくなかった。中でも陸上男子400メートルリレーはまさかの結末だった。

日本は1走の多田修平(25=住友電工)から2走の山県亮太(29=セイコー)にバトンパスがつながらずテークオーバーゾーンを通過。無念の途中棄権に終わった。

ただし、これは金メダル獲得に向けて攻めの姿勢を貫いた結果。日本代表の麻場一徳監督は「残念に思う」としつつ「日本の男子短距離は世界の大きな、高い山の頂点を目指すところに来ていると言える。この取り組みを継続してやっていくことが大事だと思う」と振り返った。

一方、今大会に向けては陸連がリレーの負担を軽減するため、個人の出場は「原則1種目」との戦略を掲げた。つまり、代表選考会を兼ねた日本選手権で100メートル、200メートルの2冠を獲得するなど周囲を納得させるパフォーマンスを発揮しない限り、どちらに出場するか選択する必要があった。実際に小池祐貴(26=住友電工)は日本選手権で200メートルを制しながらも、4位だった100メートルを選んだ。

では、このルールは今後も適用されるのか。山崎ヘッドは「3年後(2024年パリ五輪)の戦略と技術的な戦術は今後のコーチが決めること」とした上で「実力がないと100メートルからリレーに行くことができない」とあくまで個人の強化が必要であることを強調した。

海外のスプリンターと互角に戦えるようになれば〝撤廃〟されることになりそうだ。

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