【陸上】男子100、200ともに予選で姿消す… 〝リレー侍〟への影響は?

予選で6着に終わったサニブラウン・ハキーム

〝お家芸〟への影響は――。東京五輪陸上男子200メートル予選(3日、国立競技場)、サニブラウン・ハキーム(22=タンブルウィードTC)が21秒41の2組6着で準決勝進出を逃した。また、飯塚翔太(30=ミズノ)、山下潤(23=ANA)も予選敗退。この種目の日本勢は全員が姿を消した。

後半失速したサニブラウンは「最後の100メートルはジョギングしているみたいだった」と、不本意な結果に肩を落とした。2015年世界選手権で史上最年少となる準決勝進出、17年同選手権では7位入賞と海外のライバルに実力を見せつけてきたが、この日は見せ場をつくることができなかった。

また、飯塚が「悔しい。何でこんなに自分は遅いんだろう」と唇をかめば、山下も「(自分の力を出せたのは)半分ぐらいですかね…」とポツリ。これで日本勢は100メートルに続き、予選で〝全滅〟となった。

そんな短距離では世界との〝差〟を改めて思い知らされることになったが、まだ戦いが終わったわけではない。

5日には400メートルリレー予選が行われる。2008年北京五輪銀、16年リオ五輪銀を手にし、金メダル獲得は日本の悲願。今大会に向けては日本陸連がリレーの負担を考慮し、個人での出場は「原則1種目」とする方針を固めたほどだ。

リレーメンバーは100メートル代表の多田修平(住友電工)、山県亮太(セイコー)、小池祐貴(住友電工)に加え、リレー代表の桐生祥秀(日本生命)、デーデー・ブルーノ(東海大)を中心に起用するとみられ、200メートル代表選手も出場可能。だが、思いどおりのパフォーマンスを発揮できなかったスプリンターらの状態や切り替えなど不安要素はゼロではない。

こうなると経験豊富な桐生や初五輪のデーデーが起爆剤となるのか。それとも悔しさを味わった選手らがリベンジに燃えるのか。リレー侍の真価が問われそうだ。

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