【高校野球】2年ぶり夏の甲子園、見どころは? 筆頭は157キロ右腕、“名将対決”や“選抜再戦”も

ノースアジア大明桜・風間球打(左)と明豊・京本眞【写真:荒川祐史、編集部】

明桜の初戦の帯広農は最長ブランクの39年ぶり出場

2年ぶりの開催となる夏の甲子園が10日、阪神甲子園球場で開幕する。入場は学校関係者のみに制限されるなどコロナ禍の影響はありつつも、17日間の日程で熱戦を繰り広げる。3日には出場49校の組み合わせが決まり、1回戦から注目のカードが目白押し。第103回大会の見どころを紹介する。

大会No.1投手の呼び声が高いのは、ノースアジア大明桜(秋田)の風間球打投手(3年)。高い位置から投げ込む角度ある直球を武器に、秋田大会では自己最速を4キロ更新する世代最速の157キロを計測。決勝では、秋田南を3安打完封で全国切符を手に入れた。連日、こまちスタジアムには10球団以上のスカウトが集結したドラフト1位候補。大会第3日に登場する。対するのは、1982年以来39年ぶりと最長ブランク出場の帯広農(北北海道)。コロナ禍で中止となった昨春の選抜大会では、21世紀枠で選出されていた。

同じく大会第3日には“名将対決”も実現。甲子園51勝を誇る馬淵史郎監督が率いる明徳義塾(高知)は、21回目の夏舞台に臨む。対戦相手の県岐阜商(岐阜)を率いるのは、鍛治舎巧監督。秀岳館(熊本)では2016年春の選抜から3季連続で甲子園4強に導き、2018年に母校・県岐阜商の監督に就任。就任3年目の今春に選抜大会に出場した。百戦錬磨の両指揮官がどのような指揮を執るのか、注目が集まる。

5年間で3度目の対決の一方で、103年の歴史で初の対戦も

選抜準優勝の明豊(大分)は、春の関東王者・専大松戸(千葉)と大会第4日の12日に対戦。明豊は、エース・京本眞投手と巨人・太田龍投手の弟・太田虎次朗投手、財原光優投手の3本柱を中心に大分大会も危なげなく勝ち上がり、優勝候補の呼び声も。対する専大松戸は、吉岡道泰外野手(3年)に注目が集まる。夏の千葉大会決勝では、同点の延長13回にサヨナラ満塁弾を放っている。

春の選抜で開幕戦を戦ったカードも“再現”。大会第3日に、神戸国際大付(兵庫)と北海(南北海道)が相まみえる。春は神戸国際大付が3-2で延長10回サヨナラ勝ち。さらに、2017年夏の甲子園でも両者は対戦し、ここでも5-4で神戸国際大付が勝利している。北海にとっては3度目の正直なるか。150キロ左腕・木村大成投手(3年)を中心に、今大会最多の39回出場を誇る名門がリベンジに燃える。

103回を迎える夏の甲子園、93回を誇る選抜大会を通じて初となる“県勢同士”の対戦も。大会第2日に対戦する初出場の東北学院(宮城)と3年ぶり13回目の愛工大名電(愛知)。両県とも強豪校が多くあるが、意外にも「愛知vs宮城」はこれまでなかった。

注目選手や好カードだけでなく、大舞台で一気に花開きそうなブレーク候補も多い。東京五輪を終え、今後は夏の甲子園に熱戦は引き継がれる。(Full-Count編集部)

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