藤井二冠、豊島叡王に完勝で最年少三冠に王手 前局逆転負けのショック引きずらず

藤井聡太二冠(王位、棋聖)が豊島将之叡王(竜王との二冠)に挑戦する、将棋の叡王戦五番勝負第3局が9日、名古屋市の「か茂免」で指され、藤井二冠が121手で勝利。対戦成績を2勝1敗とし、叡王奪取と史上最年少三冠に王手を掛けた。

今局は藤井二冠の先手で、戦型は角代わり腰掛け銀に。午前中に70手以上進む早い展開の中、中盤から藤井二冠が徐々にリードを拡大。最後は余裕を持って豊島玉を寄せ切った。

3日に行われた第2局でも一時は勝勢かとみられていたが、逆転負けを喫した藤井二冠。中5日という強行軍にも、「本局は、盤上に集中して指せたかなと思います」と、しっかりと気持ちを切り替えての会心譜となった。

これまで三冠を達成した将棋の棋士は、豊島叡王や羽生善治九段ら9人のみ。これまでの最年少は羽生九段の1993年の竜王戦で達成した22歳3カ月で、22日に名古屋市の名古屋東急ホテルで行われる第4局を制すれば、19歳1カ月と大幅に最年少記録を更新しての三冠達成となる。藤井二冠は「これでリーチという形となったんですけど、それは意識せずにこれまで通りの形で第4局に臨めればと思います」と淡々。最年少三冠については「それは、自分としては意識することではないのかなと思います」と、これまで通りの姿勢を貫いた。

(よろず~ニュース編集部)

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