編み物王子 ロシア国営テレビに “反撃”「五輪にはLGBTが死刑になる国が10か国参加している」

同性愛者であることを公表しているトム・デイリー(ロイター)

東京五輪に出場したLGBTなど性的少数者の選手に対し、ロシア国営・政府系テレビの複数の番組が「サイコパス」などと中傷した問題で、あのスター選手が反撃した。

同性愛者であることを公表し、編み物王子としても有名な男子飛び込みのトム・デイリー(英国)は、今大会で金、銅2つのメダルを獲得。英紙「サン」などによると、デイリーは試合後、ロシアメディアの攻撃について問われ「五輪はバブルの中にいるので、外のことは何も知らなかった」と前置きしつつ、自身の考えを披露。「歴史は、社会がストレートで白人の男性らの経験から決定されてきたことを示している。私たちが集まってさまざまな視点を使用できれば、世界はより良い場所になる」と回答した。

また、LGBTに対し、否定的な姿勢を持つロシアからの〝攻撃〟とあって「五輪では、LGBTであることが死刑になる国が10か国ある。英国を代表できることは非常に幸運だ。本当の自分を出し、夫と息子と一緒に飛び込み台に立つことができ、悪影響を心配する必要がないから」と話している。

問題の番組では、五輪史上初めて男性から女性への性別変更を公表したトランスジェンダーの重量挙げ選手ローレル・ハバード(ニュージーランド)や、デイリーに対し、「この汚らしい性的倒錯に強く反対する」と発言。国際オリンピック委員会(IOC)も問題視している。

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