菅首相が東京五輪を政治利用し政権延命図ると香港紙が分析

菅義偉首相

香港紙「サウスチャイナモーニングポスト」が、日本の菅義偉首相が東京五輪を〝政治利用〟して政権の延命を図ろうとしていると糾弾した。

同紙は「菅首相の政治的運命は、パンデミック対応への影響にも左右される可能性がある。世論調査では国民の彼への支持率は28%だけで、60%は首相交代を望んでいる」と菅首相の支持率が危険水域まで低下しており、秋まで行われる衆議院選挙に向けて窮地に陥っていると指摘した。

そうした状況で鍵を握るのが東京五輪と同紙は分析。「五輪での日本人アスリートの成功(27個の金メダルと合計58個のメダル)は、どちらも開催国にとって新記録だった。パンデミックにもかかわらず大会を開催した決定に対する批判を和らげたようだ。菅は彼の不人気にもかかわらず、彼の政治的未来を東京五輪というイベントの成功と結びつけることによって生き残ることを目指す」との主張を展開した。
東京五輪での日本人アスリートの記録的な躍進を自身の〝手柄〟として強調し、支持率を回復につなげて政権の延命を図ろうとしているとの指摘。まさに五輪を最大限に〝政治利用〟しようとしているというわけだ。

菅首相は大会期間中にツイッターで金メダルを獲得した日本選手団に対する祝福の投稿を数多く行っており、こうしたものも自身への支持率につなげる思惑が見え隠れしているとの見方もある。

東京五輪の開催強行が、菅政権に及ぼす影響はあるのか今後に注目が集まる。

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