サムスン総帥が仮釈放へ 財界は歓迎も労組は反発「この国が財閥共和国であること証明」

サムスングループの総帥であるイ・ジェミョン(李在鎔)サムスン電子副会長が、韓国法務部の決定により13日に仮釈放されることが分かった。

イ副会長の仮釈放については、財界では歓迎一色となった。大韓商工会議所、全国経済人連合会、韓国経営者総連合会などはこの日、一斉にイ副会長の仮釈放を歓迎する論評を出した。半導体産業の世界的な再編が加速する最中、サムスン総帥であり韓国経済界のトップともいえるイ副会長への期待は大きい。

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一方で、労働組合は真逆の反応をみせている。

強硬な運動で有名な民主労総(全国民主労働組合総連盟)は、イ副会長の仮釈放について「国政壟断の胴部であり主犯である犯罪者の断罪を拒否したものであり、この国が財閥共和国、サムスン共和国であることを証明した」と批判しした。

民主労総は「新型コロナウイルスで墜落する労働者の声をくみ取ろうとした民主労総ヤン・ギョンス委員長への拘束令状請求が議論されるときに、国政壟断の胴体は刑務所から釈放されるとんでもない状況に、果たして誰に同意して共感できるか」と強調した。

(画像:民主労総のヤン・ギョンス委員長=民主労総の公式YouTube番組キャプション)

続けて、「私たちの社会の大転換以外に道はない」とし、「民主労総は財閥共和国解体、不平等・二極化システムの清算のための闘争に積極的に乗り出すだろう」と警告した。

韓国労総(韓国労働組合総連盟)も、「遺伝無罪、無銭有罪」であるとし、「誰が見ても財閥を守るものであり、《法の上にサムスン》の国であることを知らしめた決定と言わざるを得ない」と指摘した。

韓国労総は「最終的には、再びイ・ジェヨンとサムスンが勝った」とし、「イ・ジェヨン副会長の仮釈放は、韓国の司法の歴史にもう一つの黒歴史として記録されるだろう」と付け加えた。

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