【レパードS】馬匠渡辺「メイショウムラクモはデータも今後の活躍を示唆。敗れた2頭も見限れない」

メイショウムラクモが次代のダート王に名乗りを上げた

【渡辺薫&柏木集保「私たちはこう見た」 レパードS】

柏木 JDダービー、ユニコーンSで掲示板に載った馬が1頭もいなければ、展開も読みづらいメンバー構成。戦前から波乱を予感させました。

渡辺 前走Vの参戦馬は多かったが、それが常に力を出せるものなのか、自分の形にならないと発揮できないものなのか。この判断をするのが難しい顔触れだったなあ。

柏木 そんな中、メイショウムラクモはモマれない外枠を引いたのが良かったし、状態の良さも際立ってました。

渡辺 プラス12キロがどうなのかと一瞬思ったけど、太め感のない体つきで、実が入ってきたからこその体重増。柴田善も自信を持って乗っていたように映った。

柏木 加えて5ハロン通過が61秒4と予想よりも流れが落ち着いたのもプラスに作用しました。終わってみれば、抜けた実績馬が不在の中では力が一枚も二枚も上でした。

渡辺 同感。勝ち時計の1分51秒3は「並」でも、新潟ダート千八戦のお手本のような勝ち方。しかも2勝クラスVからの当レース連勝は過去にトランセンドとインカンテーションが果たしている。前者はGⅠ4勝、後者もその後に重賞5勝でフェブラリーS②③着の実績を残しているわけだから。データも今後の活躍を示唆しているな。

柏木 渡辺さんからデータの話が出るとは驚きですね。しっかり覚えておいて、どこかで使わせていただきます。

渡辺 これからは「データの渡辺」ってことでよろしく。

柏木 敗れた組にも今後、馬券になりそうな馬が多い気がします。3着レプンカムイは早めに勝ち馬にかわされながらの粘走。そして5着ハンディーズピークは流れが速くなることを見込んでの後方待機策が裏目に。それでも過去のVパターンと違う形で脚を伸ばしたのは先が明るくなる内容と言えます。

渡辺 対照的に予想以上に精神面のモロさを露呈したのがホッコーハナミチ(9着)とルコルセール(15着)だな。ホッコーハナミチは脚抜きのいい馬場が理想なんだろうが、それにしても…。ルコルセールは発馬が決まらなかったのがすべて。これで終わる馬とは思えないし、東京→函館→新潟の転戦が影響していた可能性もあるので、まだ見限れない存在だとは思っている。

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