ライオンズの若き龍・綱島龍生選手の活動報告 〈10〉悔しさと手応えを胸に

 11月9日、埼玉西武ライオンズは公式戦全日程を終了した。クライマックスシリーズ(CS)進出を懸け最後まで必死に戦った選手たちに、辻発彦監督は「今回はいろいろな選手がしびれるところを経験したことで、一人一人がよく考え、上達してくれればいい」と話した。

 ファームは11月1日、一足先に公式戦を終えたが、「1軍がまだ戦っているので、いつ呼ばれてもいいように準備をしておく」という松井稼頭央2軍監督の言葉の通り、綱島も〝その時〟を待ちながら準備をしていたが、初の1軍昇格はかなわなかった。

 「悔しさしかない」。同級生たちが1軍に昇格していく中、自分だけが果たせなかった思いがあふれた。シーズン後半こそ、日々試行錯誤を繰り返しながら結果を残してきたが、守備面での不安が、1軍昇格を果たせなかった理由だと自身で感じている。

 「イージーゴロが来たときに安心してしまうところがある」。自身の〝甘さ〟をこのオフ期間中、一番の宿題にするつもりだ。

 11月8日から「みやざきフェニックスリーグ」に参加している。変化球への対応と、ストレートを捉える確率が倍近く上がった、と手応えを感じており、「実戦が楽しみ」と話した。

精悍(せいかん)な表情で練習する綱島(球団広報部撮影)

 1年間声援を送ってくれた地元・新潟の皆さんに「今年、1軍に上がれなくて悔しかったですが、これからフェニックスリーグ、オフも挟んで、しっかりと練習して、来年は1軍で活躍できるよう頑張ります」と飛躍を誓った。

 山賊打線と呼ばれる1軍に割って入るために磨いたバッティングは確実に成果として表れた。その強い思いは守備にも良い影響を与えることは間違いない。今年味わった悔しい気持ちは綱島自身を強くし、来年には初の1軍昇格を果たしてくれることだろう。(西武ライオンズ広報部 亀田礼子)

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