〈わかやま総文〉「文化部のインターハイ」31日開幕 和歌山県に集い発表・交流 上越地域3校から5部門に出場

 文化部のインターハイと呼ばれる「全国高等学校総合文化祭」(総文祭)が31日から8月6日まで、和歌山県で開かれる。新型コロナウイルスの影響で、昨年の高知大会はインターネットによる活動の成果となる画像や動画を紹介する形となったが、今年は感染症対策を施し、代表の生徒が和歌山県に集い、成果発表と交流を行う。上越地域の3校から5部門に出場する生徒たちを紹介する。

吹奏楽 糸魚川白嶺高吹奏楽部

13人で初の総文祭へ

 総文祭は初出場。バルトークの「ディベルティメント第3楽章」を演奏する。猪又菜那部長、廣川英副部長(いずれも3年)は「複雑なリズムがあり、個人の技術が必要な曲」と説明する。

 部員は13人と今回出場する中で最少で、打楽器のパートはいないが、弦楽曲を選ぶなど工夫して音を作り出している。荒野貴司教諭と共に顧問を務める樋口元教諭は「13人でもやれることはたくさんある」と話した。

 コロナ禍の中、間隔を空けるなど工夫して練習している部員たち。廣川副部長は「感性が近く、楽しい時にみんなで楽しめる」と雰囲気を説明する。猪又部長は「バルトークの曲の特徴を意識した演奏をしたい」と初の総文祭への意気込みを語る。(8月5、6日、和歌山市・和歌山県民文化会館)

美術・工芸 吉川環紀さん(高田3)

夏の暑さを鮮やかに

 作品「43・3℃」(油彩、F50号)はガラス風鈴の中で泳ぐ金魚を描いた。夏の暑さが伝わってくる色使いや、水と金魚の躍動感が特徴となっている。「風鈴や金魚や涼しさを感じさせてくれるが、金魚自身は暑くて大変なのでは」と考えたことがきっかけ。

 1年生時にミニサイズで描いた作品を、昨年にフルサイズで再び描いた。「美術室にエアコンがないので、(描かれている)金魚と同じ気持ちになった」と笑う。

 会場ではグループ別で作品鑑賞や交流会を兼ねた制作体験を行う。「たくさんの人と意見を交わしたい。作者に直接会える貴重な機会」と話している。(7月31日~8月4日、和歌山市・和歌山県立近代美術館・博物館他)

小倉百人一首かるた 山口薫さん(高田3)、佐伯遥和さん(高田3)

選抜チームで活躍へ

 小倉百人一首かるた部門は選手8人からなる都道府県選抜チーム同士の団体戦を行う。選考を兼ねた県大会が5月に柏崎市で開かれ、山口さんが優勝、佐伯さんが7位入賞を果たし、県選抜チーム入りを決めた。山口さんはチームの主将を務める。現在は日々の部活動に加え、県チームの練習会で腕を磨く。

佐伯さん(左)と山口さん

 百人一首を本格的に始めたのは共に高校に入ってから。山口さんは経験者の姉の影響で興味を抱き、佐伯さんは耳の良さを生かそうと入部した。

 「自分より強い相手におびえず、食らいついていく。一枚一枚丁寧に」と山口さん。佐伯さんは「全国の選手の取り方や配置などを学び、後輩たちに伝えたい」と意気込む。(8月4~6日、和歌山市・和歌山県立体育館)

新聞 糸魚川高出版委員会

他校と交流 学校の発信も

 校内新聞『あおい』を出している生徒会出版委員会は、昨年秋の県新聞コンクールで優秀賞を受賞し、4年連続出場を決めた。代表2人が参加する。

『あおい』を手にする安田さん(右)とミニ版の『あおい』を持つ松木さん

 『あおい』は1、2学期末に印刷して発行、学校行事に合わせてミニ版も出している。昨年度はコロナ禍で行事が少なかったため、教員の紹介に力を入れた。最新号では感染防止のため黙食している「弁当」にスポットを当てた。松木明日香さん(2年)は「学校の人に見てもらえるよう、親しみやすい話題を考えている」と話した。

 総文祭では他校の生徒と一緒に取材し、新聞を出す。安田和泉さん(同)は「他校と交流して情報を取り入れ、自分の学校も発信したい」と意気込んでいる。(8月3~6日、和歌山市・開智高)

将棋 小池拓空君(高田3)

決勝T目指し楽しく

 昨年も代表を決めていたが、コロナ禍で部門が中止となり、今年が初出場。糸魚川小4年の時にクラブ活動で将棋を始め、日本将棋連盟糸魚川支部とインターネット対局で腕を磨いてきた。1年時は全国高校新人大会に出場している。

 囲碁将棋部と陸上部とを兼部する〝二刀流〟。「両方が好き。充実した生活の一部」と話す。忙しい中でも実戦不足にならないよう空いた時間にネット対局を行っている。得意の戦法は角換わり。

 新人大会は2勝2敗で予選リーグを突破できなかった。「決勝トーナメント出場を目標に、一局一局楽しんで打ちたい」と話した。(7月31日、8月1日、那智勝浦町・那智勝浦町体育文化会館)

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