【夏の甲子園】新田が初出場初勝利 チーム救った長谷川のスーパー好捕に岡田監督「守備も攻める」

力投する新田・向井駿貴

歴史を変えた。第103回全国高校野球大会(甲子園)の第1日(10日)第2試合は新田(愛媛)が静岡に4―2で競り勝ち。夏の大会初出場初勝利を飾った。

序盤から静岡のプロ注目192センチ右腕・高須の攻略に成功した。先発マウンドにも立った8番・向井(2年)の右前適時打で2回に1点を先制。6回にも9番・山内(2年)の左前適時打で加点し、この回途中で相手の好投手をマウンドから引きずり下ろした。

チームを救うスーパープレーも飛び出した。7回に2―2の同点とされ、なおも一死一塁の場面から相手打者の9番・山岸が放った左中間への大飛球を中堅・長谷川(3年)が背走しながらジャンピングキャッチ。すぐさま体勢を立て直すと好返球からの中継プレーで飛び出していた一塁走者を刺し、見事に併殺を完成させた。

その直後の8回には入山(3年)の右翼線への2点適時打で勝ち越し。先発の向井も9回までマウンドに立ち続け、8安打2失点と粘りの投球で完投しチームを念願の聖地1勝へと導いた。

試合後の岡田茂雄監督は初戦突破に「地区予選で『歴史を変える』という流れで頑張ってきた。甲子園に入って今度は『新たな歴史を作る』という強い気持ちのままで第1戦に臨めたと思う。もう感無量です」と述べ、白い歯をのぞかせた。

チームを救った長谷川の好捕については「粘り強く野球をするというのが私たちの信条。この甲子園という舞台で発揮できたと思う」と目を細めた。そして「やはり『攻撃でも常に攻める、守備でも攻める』というのが新田の野球。初出場で向かって行くだけ。攻めの野球を全力で出していきたい」とも強調し、今後も挑戦者の気持ちで戦い続けることを誓っていた。

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