北信越総体2021 重量挙げ 酒井(諫早農)春夏2冠 男子61キロ級

【重量挙げ男子61キロ級ジャーク】3回目で優勝を決定づける123キロに成功する酒井(諫早農)=福井県小浜市民体育館

 抜群の勝負強さを発揮して、県勢として史上2人目となる春夏2冠を達成した。
 重量挙げ男子61キロ級は、全国選抜大会王者の酒井(諫早農)が春の記録を16キロも上回るトータル224キロをたたき出し、今回も頂点を譲らなかった。「インターハイの優勝だけを考えてきた」と言う3年生の胸に、夏の金メダルが輝いた。
 スナッチ1回目。入場の際、客席の仲間たちに向けてぐっと右こぶしを握って集中のスイッチを入れた。選抜でマークした95キロにいきなり成功。3回目には101キロまで記録を伸ばしてトップと2キロ差につけた。「これなら逆転できる」。早くも勝利を確信した。
 ジャークの2回目に軽々とライバルの決勝記録を上回り、3回目は123キロの県高校新に成功。優勝を告げるブザーが鳴ると「どうだ」と言わんばかりに今度は両こぶしを握った。
 選抜王者として追われる立場に立っても、一貫して自らと向き合い、成長につなげた。弱点だった上半身を鍛え上げ、胸回りや腕回りは一段とボリュームアップ。「きょうもぐらついて失敗しそうになったけど、踏ん張れるようになった」と効果を実感できた。
 種目別はどちらも2位ながら、トータルは逆に2位を4キロ引き離した盤石の勝利。山口監督も「決して好調と言えないコンディションだった。それでも本番になれば成功するんだから、とにかく試合に強い」と驚く集中力で、計6回の試技すべてを成功させた会心の試合運びだった。

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