ル・マンで親子参戦実現のケビン・マグヌッセン「父とのレースは楽しみだが、目標は優勝」

 元ハースF1のケビン・マグヌッセンは、WEC世界耐久選手権第4戦として開催される2021年のル・マン24時間レースに、父であるヤン・マグヌッセンとともに出場し、デンマークのLMP2チーム、ハイクラス・レーシングのマシンをドライブする予定だ。

 ケビンとヤン、ともにF1からスポーツカーレースに転向したふたりのマグヌッセンは、8月21~22日に決勝レースが行われる今年のル・マンで初の親子参戦を果たす。彼らは同郷のアンダース・フィヨルドバッハとチームを組み、49号車オレカ07・ギブソンで“世界三大レース”のひとつに挑む。

 また、昨シーズンは山下健太が参加したハイクラス・レーシングは、今季も引き続きWECのLMP2クラスに参戦しているが、ル・マンに向けては2台体制を敷く。チームのもう1台のクルマである20号車オレカには、デニス・アンデルセン、リッキー・テイラー、マルコ・ソーレンセンが乗り込むことが決定済みだ。

 長年にわたってコルベット・レーシングで活躍し、フランスのクラシックレースでは通算4回のクラス優勝を飾っているヤン。彼は今年、自身23回目のル・マン出場をマークする。

 一方、彼の息子であるケビンは今大会がル・マン24時間のデビュー戦となる。ただし、ケビンにとってル・マンは、幼少期から父のレースを見るために何度も訪れている場所であり、馴染み深いイベントでもある。

「もちろん勝つことが目標だけど、非常に競争の激しいレースになることは理解している」と語ったケビン。

 28歳のデンマーク人は「LMP2にはとても速いチームや素晴らしいドライバーラインアップを持つチームがいくつかあるが、勝ちに行かなければ意味がない」と付け加えた。

「父と一緒にレースをするのはとても楽しみだよ。しかし、僕たちは勝つためにこのレースに参加するんだ。最近、ハイクラスのクルマをテストしてきて、それはとてもうまくいった。クルマに対する皆の考えやフィードバックを聞くのはとても興味深かった。(本番に向けて)ワクワクしているよ!」

2021年はチップ・ガナッシ・レーシングからIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦し、キャデラックDPi-V.Rをドライブしているケビン・マグヌッセン

 大ベテランのヤンは、息子をチームメイトに迎えることについて次のように語っている。

「私たちはつねにレーシングファミリーであり、レースについて話し、お互いのレースを見に行ったりしていたが、これまで一緒にレースをする機会はなかった。(今回の挑戦は)本当にエキサイティングなものになるだろう」

「少し前にスペインでテストを実施したが、チームメイトのアンダース(・フィヨルドバッハ)を含め、クルマに関するみんなのフィードバックは非常に似ていた」

「私は長年にわたるGTの経験からメカニカルなフィードバックで優位に立っていると思うが、ケビンはF1での経験があるので空力のフィードバックに強みがあると思う。それらをプラクティスで引き出すのが待ちきれないよ」

 89回目の開催を数える今年のル・マン24時間は、8月21~22日の決勝レースを前に18日(水)からフリープラクティスと予選が行われる。今週末の15日(日)にはそれに先立ち、公式テスト“テストデー”も実施される予定だ。

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