【夏の甲子園】横浜が劇的勝利 逆転サヨナラ3ランの1年生・緒方「人生で一番いい当たり」

逆転サヨナラ3ランホームランを放った緒方漣

土壇場で劇的な幕切れが待っていた。第103回全国高校野球大会(甲子園)の第2日(11日)第2試合は横浜(神奈川)が広島新庄(広島)を相手に3―2で逆転サヨナラ勝利。3年ぶりに初戦突破を果たし、2回戦へコマを進めた。

2点を追う9回二死一、三塁。あと1人にまで追い込まれた中、1番・緒方(1年)が3番手・秋山から直球をとらえて左越えに3点本塁打を突き刺し、奇跡を引き起こした。自ら「人生で一番いい当たり」と評した一発は大会第1号アーチとなり、チームをミラクル勝利へと導いた。

公式戦でも本塁打を放ったことがなく、あらゆる面において「メモリアル弾」となった。試合後、あらためて「頭が真っ白になった。スタンドに入った瞬間、凄くうれしかった。ここでアウトになったら、3年生が終わってしまう。3年生のためにも、チームのためにもという気持ちだった」とも振り返った。下級生らしく先輩思いの精神を貫いたことが結果に結びついた。

昨年4月からチームを率いる同校OBの村田浩明監督(35)にとっても甲子園初采配の一戦がドラマチックな白星スタートになった。指揮官は「野球は9回になるまで分からないと伝えていたが、それが出たと思う。緒方がやってくれるんじゃないかという期待はあった」と述べ、1年生のヒーローを称えていた。

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