世界のプロレス・格闘技界から〝ドラフト1位指名〟を受けた金メダリストレスラーが、その今後をめぐって話題となっている。
東京五輪レスリング男子フリースタイル125キロ級で金メダルを獲得した米国代表ガブレダン・スティーブソン(21)は、大舞台で見せた驚異の身体能力とショーマンシップで話題騒然。世界最高峰の総合格闘技イベント「UFC」や世界最大のプロレス団体「WWE」どころか、日本のマット界まで熱視線を送るマット界の〝ドラフト1位〟的な存在だ。
その超逸材は9日に「@danawhite」とツイート。これを受けて、米スポーツ専門局「ESPN」が「五輪金メダリストのゲーブル・スティーブソンがUFCのダナ・ホワイト代表にあいさつした」と報じ、UFCも公式ツイッターで金メダル獲得を祝福。これをまたスティーブソンがリツイートしたから「スティーブソンはUFC入り?」とマット界は大騒ぎとなった。
だが、このスティーブンソンという男、なかなかしたたかだ。11日になって今度は「@VinceMcMahon」とツイッターに投稿。〝悪の帝王〟にして〝娯楽スポーツの覇者〟ことWWEビンス・マクマホン代表の名を挙げたのだ。
スティーブソンは今年4月にWWE・NXT「テイクオーバー」に登場している。WWEとしてもかつての大エース、ザ・ロック(ドウェイン・ジョンソン)とジョン・シナがハリウッドに進出し大成功を収めた今、現エースのローマン・レインズに続くエース候補として、ノドから手が出るほど欲しい人材だ。
これにはフォロワーの反応のもさまざまで「WWEに行けば、たくさんのお金を稼ぎ、大スターになることができる。なぜ、わずかなお金しかもらえないMMA(UFC)に行くの?」などの肯定的な意見や「やめとけ。(五輪アスリートからWWE入りした)マーク・ヘンリーやカート・アングルに相談しろ」「WWEであなたを待っているのはお金だけ。MMAに行かなければ一生、後悔する」、さらには「WWEより(米プロレス団体の)AEWのほうがいいよ」とかんかんがくがく。
また、ビンス会長が反応していないことから「ビンスは関心ないのでは?」との声も。
UFCとWWEをてんびんにかけているのか? それとも、ただ面白がっているだけなのか? 早くも超逸材の手のひらで踊らされている感も否めないマット界。これで「2024年パリ五輪で連覇を目指す」などと言いだしたら、どうなるのだろうか…。