平和の祈り衣装に込める 長崎原爆の日 初のファッションショー開催

千羽鶴をイメージしたドレスを披露したモデル

 長崎原爆の日の9日、平和を発信するファッションショーが長崎市内で初めて開かれた。長崎原爆資料館や広島、沖縄各県の平和関連施設に寄せられた千羽鶴をあしらったドレスなど、平和への祈りを込めた衣装を身にまとったモデルが、折り鶴を並べたランウエーを思い思いに歩いた。
 「Pray for Peace Collection」(実行委主催)と銘打ち、千葉県のファッションデザイナー、鶴田能史さん(40)がモデル一人一人に合わせて衣装をデザインした。2019、20年には広島で開催している。
 色鮮やかな折り鶴を飾り付けた衣装や、長崎に根付くキリスト教文化をイメージした衣装などを着たモデル23人が登場。ロックバンド「LUNA SEA」「X JAPAN」のギタリストSUGIZOさんもゲスト出演した。鶴田さんは「長崎の歴史を踏まえ、新しい平和の価値観を発信した」と語った。
 市立長崎商業高2年の本多若葉さん(16)は千羽鶴をイメージしたドレスを身にまとった。「戦争では日常が崩された。新型コロナ禍で私たちも当たり前のことができなくなったが、家族や友人と何げない言葉を交わせることが幸せ」と考え、平和を柔らかい笑顔で表現した。
 ショーは、スポーツや芸術を通じて平和を発信する市の「平和の文化」事業に認定された。

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