【車いすテニス】田中愛美 タイヤサイズ変更が大成功! パラは「メダル獲得を目指す」

リモート取材に応じた田中愛美

東京パラリンピックの車いすテニス代表の田中愛美(25=ブリヂストンスポーツアリーナ)が13日、リモート取材に応じ、初出場の舞台に懸ける意気込みを語った。

新型コロナウイルス禍による1年延期。多くのアスリートは戸惑い、不安に押しつぶされたが、田中は至って前向きだった。「この1年間、いろんな情報が自分の中に入って、見たり聞いたりした」と振り返りつつ「1年前とは違うモチベーションができ始めたのが大きい」と話した。自分自身と向き合う中で「本当にやりたいプレーは何か?」「応援してくれる人が見たい試合は?」と自問自答。その結果、自覚が芽生えたという田中は「目標とするメダル獲得を目指します」と戦闘モードに入っている。

具体的な変化としては車いすのインチアップだ。昨年初頭、従来の「26」から「27」に切り替えたことで腰の負担が軽減し、惰性も利くようになった。また、マグネシウム製の頑丈な車体を維持しながら「壊れるか、壊れないかギリギリまで軽量化した」(田中)と、限界まで軽くすることに成功。これによって「27インチにしたときのネックは一発目のパワーでしたが、軽さを追求したことによってほぼ26インチの時と変わらない。俊敏性も遜色ない状態になっています」と大きな手応えを得ている。

自己分析も抜かりない。自身の武器については「フォアでもバックでもどちらでも攻撃でき、相手に攻撃させないショットを打つことができる強みがあると思います」と話し、その上で「特に私のバックハンドスライスを嫌がる選手はかなり多いと思うので、そこから展開していける試合を作れたらいいかなと思っています」と明確なビジョンを描いている。

中学でテニスを始め、3年時には部長として約80人の部員を牽引。高校1年の冬に自宅で転落事故に遭い、車いす生活となった。あれから約10年、紆余曲折を経ていよいよ夢舞台へ羽ばたこうとしている。

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