虎と1差! 巨人V3のキーマンは吉川尚輝…後半戦で果たすべき“重大任務”とは

2か月ぶりに一軍復帰した巨人・吉川

巨人逆転V3のカギはキャプテンの〝金リズム〟維持にあり――。侍ジャパンで東京五輪金メダルを獲得した巨人・坂本勇人内野手(32)が〝凱旋試合〟の中日戦(13日、東京ドーム)で3打数3安打の固め打ち。チームも4―2で逆転勝利を飾り、首位・阪神に1ゲーム差に迫った。チームの勝利に直結する主将の好調さをキープできるかどうかは、その「相棒」にかかってきそうだという。

後半開幕戦で1点ビハインドの8回に若林の同点ソロ、岡本和の勝ち越し打などで一挙3得点。前日の練習前、チーム一丸となる「ワッショイ・ベースボール」を指示した原監督は「あのイニング(8回)ぐらいかな」と苦笑いも「しかし、1試合のうちに1回でも来るとね、非常にいいですね」とうなずいた。

9回には守護神ビエイラが日本最速となる166キロをマークするなど、まさに「お祭り騒ぎ」。そのムードを引き寄せたのが「2番・遊撃」で3打数3安打4出塁の坂本だった。

侍ジャパンでも「2番・遊撃」で全5試合に先発出場し、サヨナラ打、本塁打と大暴れ。打率3割3分3厘、1本塁打、4打点で金メダルに貢献した。

試合前、原監督から花束を贈られた主将だが、チーム関係者は「後半戦のポイントは、五輪で復活した坂本の好調をどれだけ長く維持できるか」と話す。そのカギを握るのがこの日、2か月ぶりに一軍に復帰した二塁・吉川の存在だという。

今季の坂本は5月に右手親指を骨折。6月11日に復帰も、6月の月間打率2割1分7厘、7月2割5分と苦しんだ。坂本自身「バッティングの部分でなかなか状態が上がってこない」と悩みを打ち明けていた。

それが五輪の大舞台でV字回復。「主にコンビを組んだ二塁・菊池涼(広島)の存在が大きい。守備での安心感が、打撃のリズムを生んだ部分もある。守備範囲など、ウチの二塁手で菊池涼に匹敵するのは吉川だけ」(前出のチーム関係者)

先発では4月28日ヤクルト戦(神宮)以来、4か月ぶりに復活したこの日の吉川との「二遊間」が「金リズム」を呼んだというわけだ。今年の春季キャンプでも坂本と吉川は居残り練習で、連係に磨きをかけていた。吉川は復帰戦となったこの日も8回無死走者なしで、京田のヒット性の当たり二ゴロにさばく好捕を見せた。

「チームが勝てたことが何よりも良かったです。その中で、いい仕事ができて良かったです」と振り返った主将の好調は、この日、3打数無安打に終わった吉川がスタメンに定着できるかどうかも関係してきそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社