初代タイガーマスク（６３＝佐山聡）が１９８１年４月に鮮烈なデビューを果たしてから今年で４０周年。これを記念したポップアップショップが東京・新宿の「ビームス・ジャパン」で１８日まで開催されている。本紙はショップに姿を見せた初代タイガーにインタビューを敢行。第３回のテーマは代名詞と言えるラウンディングボディプレスとサマーソルトキックの誕生秘話だ。
【初代タイガーマスク・特別インタビュー（３）】
――ここからは、ショップにある写真も見ながらいくつか代表的な技を振り返っていただければ。まずはこのラウンディングボディプレスですが
初代虎 ある日、道場でやってみたらできたんですよね。それで、ヒザを怪我しないようにラウンディングにしたんです。本来なら正面から行く（ムーンサルトプレスにする）べきなんですが、それはヒザを痛めるんですね。それでラウンディングにしたらうまくいったっていう感じですね。
――技術的にはムーンサルトより難しいんですか？
初代虎 いや…どうなんですかね。なんでも簡単にできちゃうんで…。
――すいません、聞いた相手が悪かったです（笑い）
初代虎 器用なんですよね（笑い）。ほとんど飛び技とか練習したことがなかったですねえ。
――やってみようと思ったのはなぜですか
初代虎 必殺技というのを常に考えなくてはならなかったからです。その使命感がありますからね。ファンの期待を裏切りたくなかったですし、会社からも「頑張ってくれ」という風に言われていましたし。ただ、自分にとって（やっているの）は「ストロングスタイルの空中技」なんです。僕の頭の中にあったのは実戦です。全部「実戦の空中技」なんですよ。タイミングもやり方も。それが自分の信念であり、当時の新日本プロレスの信念でした。
――コーナーの相手を駆け上がって宙返りする「サマーソルトキック」も代名詞でした
初代虎 これはメキシコのホテルで練習しました。マットレスを床に敷いて、サイドテーブルを横に置いて、窓際の〝さん〟のところで蹴って空中回転して立てるか試したら立てたんで、その日の試合に使いました。朝試して夜やりました。結構、器用でしたからね。
――「結構」どころじゃないですよ！
初代虎 すぐできちゃうんですよね（笑い）。イメージができているというか。そういうのはラッキーでしたね。
――この技をやろうと思ったきっかけは
初代虎 これは多分、昔見たブルース・リーかジャッキー・チェンの映画だったと思いますね。そういうのがきっかけになったと思いますが、ハッキリは覚えてないです。これも、分かっていただけると思いますが、実戦性がありますよね。それが一番大切なんだというのをやってますから。だから試合でも長く使えるというか。次の技がやりやすいんですよね。（終わり）
