トヨタチーム内で表彰台を巡る戦いが継続中。エバンスが僅差の3番手で最終日へ/WRC第8戦

 WRC世界ラリー選手権第8戦ベルギー競技2日目、デイ2のSS9~16が8月14日に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が表彰台圏内の総合3番手につけた。チームメイトのカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)とセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が僅差の総合4番手、同5番手に続いている。

 イープル・ラリー・ベルギーの競技2日目は、サービスパークの南側エリアを中心に設定された4本のターマック(舗装路)ステージを、日中のサービスを挟んで各2回走行するスケジュールで争われた。
 
 前日に総合3番手をかけて僅差の戦いを繰り広げたロバンペラ、エバンス、オジエの3名は、終日好天に恵まれドライコンディションが保たれたラリーでそれぞれ順位アップを果たした。
 
 なかでもオープニングのSS9で2番手タイムを記録したエバンスは、ライバルがパンクによって遅れたこともあり早々に総合3番手に浮上。SS11ではベストタイムを刻むなど安定して速いペースを披露し、表彰台圏内のポジションを維持した。
 
 一方、そんなエバンスを僅差で追うロバンペラと、午後のSS13とSS15でベストタイムを記録したオジエが激しいチーム内バトルを展開。SS15ではWRC7冠王者オジエが総合4番手となるが、デイ2の最終ステージとなったSS16では20歳ロバンペラが再逆転を果たしている。

 総合3番手につけたエバンスと、SS16で2番手タイムを記録した総合4番手ロバンペラのギャップは3.3秒。エバンスからオジエまでのタイム差は4.3秒と、チームメイト同士による表彰台を巡る戦いは最終日に持ち越されることとなった。

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し、トヨタ・ヤリスWRCで最高峰クラスに参戦している勝田貴元は総合6番手につけていたが、この日2本目のステージとなったSS10でコースオフ。マシンの前後に大きなダメージを負う激しいクラッシュを喫したものの、勝田とコドライバーのキートン・ウイリアムズに怪我はなかった。

「今朝に関しては昨日よりも少し良くなり、すべてが問題なく機能していましたが、その後は少し浮き沈みがあった」と語るのは、トヨタ勢最上位の3番手につけたエバンス。

「それでも、全体的には昨日より少し前進することができた。明日はきっと接戦になると思うが、全力を尽くして戦うことを楽しみにしているよ」

セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第8戦ベルギー

■「可能な限り多くのポイントを獲得できることに期待」とラトバラ代表

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表は、「今日、我々のドライバーたちは信じられないような接戦を演じた。彼らが非常に安定したパフォーマンスを見せてくれたことはとても良かったですし、速さがほぼ同等だったこともうれしく思う」

「ドライバーたちは良い仕事をしてくれたし、前日からのパフォーマンスの向上にも満足している」

「もちろん、最終日に向けて優勝争いに加わることができていたらベストだったが、明日はパワーステージで両選手権の追加ポイントを獲得することができる重要な1日なので、とても楽しみだ」

「明日は誰もが初めて走るステージで、路面は今日までよりは少しクリーンだと思う。そのため、できるだけ多くのポイントを獲得できることを期待しているんだ」

 イープル・ラリー・ベルギーの競技最終日デイ3は、早朝にイープルから約300km離れたスパ・フランコルシャン・サーキットに移動してラリーが行われる。ステージは伝統的なサーキットの一部と、その周辺の道路を組み合わせたものとなり、ふたつのステージを各2回走行。最終SS20“フランコルシャン”は、ステージトップ5タイムを記録したドライバーとマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となっている。4本のSSの合計距離は40.52km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は361.22kmだ。

勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第8戦ベルギー
カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第8戦ベルギー
エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第8戦ベルギー

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