笑福亭鉄瓶 自身初の〝ノンフィクション落語〟制作も 師匠・鶴瓶は「何にも言わないと思う」

20周年公演をアピールした鉄瓶

落語家・笑福亭鉄瓶(43)が16日、大阪市の心斎橋角座で「入門20周年 笑福亭鉄瓶独演会」の開催発表会見に登場した。

笑福亭鶴瓶の「鶴瓶噺(はなし)」に憧れ、2年間の弟子入り志願を続けて入門を許された鉄瓶は、20周年記念の独演会について「10周年もやってない。自分で言うのも嫌だし、あまり好きじゃないんです。チラシに周年という言葉を入れたのも初めて」と言いつつ「でも、初舞台から見てくれてるお客さんが『ずっと応援してる人は、おめでとうって言いたいんですよ』と言ってくれたんです。その時に、僕だけの考えで動いてたので、そういうのが大事だなと思った」と話した。

独演会では師匠譲りのトークや古典落語1席と、初の試みである〝ノンフィクション落語〟「生きた先に」を披露する。

同作は小学校を2年で退学し、文字を読み書きできないまま生活を送った後、夜間中学に通って読み書きを覚え、妻にラブレターを送ったという奈良県在住の西畑保さんの実話をもとに作った創作落語だ。

きっかけについて鉄瓶は「嫁と子供のイビリで眠れない時にネットサーフィンしてて『35年目のラブレター』という鶴瓶が好きそうなタイトルを見つけた」。

記事を読み「西畑さんは読み書きができないことで職を転々とした。今後、西畑さんみたいな人は0%になる。御存命のうちに話を聞いて、当たり前に使ってる文字は当たり前じゃないということを伝えないといけないと思った」といい、西畑さんに手紙を送り、創作落語制作の許可を得た。

落語を聞いた西畑さんは眉間にずっと指を当てていたそうで、「イヤなことを思い出させすぎたようです」と苦笑い。

師匠の鶴瓶に聞いてもらったのかを聞かれると、「これをするとも言ってないです。西畑さんの話は『仰天ニュース』でもやってたので知ってると思いますけど、多分何にも言わないと思う。受賞した時も『何でや?』しか言いませんでしたから」と笑い飛ばした。

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