小池都知事「帰省あきらめて」からの3日後…「さあいよいよパラリンピック開催です」の違和感

リモートで会議に参加した小池都知事(ロイター)

東京パラリンピック(24日開幕)まで約1週間に迫った16日、国際パラリンピック委員会(IPC)、大会組織委、政府、東京都による4者協議が開催された。

この日はIPCのアンドリュー・パーソンズ会長、丸川珠代五輪相、小池百合子都知事、組織委の橋本聖子会長がリモートで協議を行い、パラリンピックの無観客が決定した。

協議の冒頭、小池知事は他の3者に対して「コロナ禍という厳しい環境の中、多くの方々のご支援とご協力をいただき、まず五輪が勇気と感動を与えつつ幕を閉じました」と五輪開催に一定の評価を下した上で「さあ、いよいよ次はパラリンピックの開催です」と宣言。

さらに「パラリンピックの成功なくして東京大会の成功はない、と何度も申し上げました」と意気込みを口にしつつ「一方で何よりも優先されるのが安全安心の確保。五輪での経験を生かして、パラアスリートの特性を踏まえて、安全な環境で大会を開催できるよう取り組んでいく必要があります」と話した。

とはいえ、都民や国民の反発は避けられなそうだ。3日前の定例会見では「最大級、災害級の危機を迎えている」とコロナ感染拡大に強い警戒を示し、お盆休みの帰省や旅行を「あきらめてください」と都民に要請。「今なさらないとダメですか、不要不急ではありませんか」「今、抑えないと助かる命も助からなくなる」と警鐘を鳴らしたが、都民からは「五輪あきらめてって意見、聞いてくれた?」などと不満の声が上がっていた。

小池知事は「東京都はデルタ株の影響でコロナの感染が拡大しています。感染しない、させないという意識を皆様と共有する。その上でコロナの戦いに全力を挙げて取り組む」と力説したが、都民からは「ダブルスダード」「違和感」を指摘する声は根強い。果たして理解を得られるか。

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