【夏の甲子園】V候補を圧倒した専大松戸・深沢 成長にスカウト驚き「この調子ならドラフトかかる」

度胸満点の投球を見せた専大松戸・深沢

第103回全国高校野球選手権大会の第4日第2試合で専大松戸(千葉)がセンバツ準Vの明豊(大分)を6―0で下し、春夏通じて甲子園初勝利を飾った。

強豪ひしめく「戦国千葉」を制した実力校とセンバツ準V校の激突は、一方的な展開になった。先発したエース・深沢鳳介投手(3年)がコーナーをつく絶妙の制球力の11三振を奪い、6安打で無四球完封。強力打線を相手に「自分より格上の打者が多いので、相手の嫌なことをしようと考えた。厳しいコースをついた」と作戦通りの投球だった。

右のサイドスロー投手が苦手とする左打者への外の緩いカーブでカウントを稼ぎ、インコースまっすぐで積極的に攻めた。春はドラフト上位候補の中京大中京(愛知)の畔柳と互角に投げ合い、悔し涙を飲んだが、夏に見事に奮起。優勝候補を封じ込め、悲願に向けて最高のスタートを切った。

深沢の成長ぶりには熱視線を送ったプロスカウトも舌を巻くばかり。あるパ・リーグスカウトは「球の強さがあって制球力もある。打者は球速より速く感じるはずだし、なかなか打ちづらい。今大会ではトップレベル。変化球の精度もいいし、思っていた以上に成長している。センバツ準V相手だと力んだりするものだけど、堂々としている。何より自信を持って向かって行く姿勢がいい。この調子を続けたらドラフトにもかかってくる」と絶賛だ。

コロナ禍で練習試合もままならず、各校とも調整に四苦八苦。地方大会で多くの強豪校が姿を消し、センバツで注目された市和歌山の小園、中京大中京の畔柳の雄姿も見られない。そんな中、センバツで実力の片りんを見せた深沢が、グレードアップして完ぺき投球を披露。一気にドラフト上位候補に名乗りを上げた。

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