新型コロナウイルスのワクチン接種は今後、50代以下の若年層が本格化する。
川崎市中原区の医師西智弘さん(41)は同市立井田病院で勤務する傍ら、同区内のカフェで「ワクチン相談会」を開いて接種への不安解消に努めている。西さんは「間違った知識が原因で、接種を取りやめる機会をなくしたい」と話す。
西さんは同院で腫瘍内科医として診察に当たっている。
同院は重点医療機関として、主に中等症以下のコロナ患者の治療を担う。「第5波」の拡大が続く中、同院も「医療現場はかなり逼迫(ひっぱく)している」という。
西さんは数年前から一般社団法人「プラスケア」を運営し、健康相談を受け付けて地域住民の悩みに答えてきた。ワクチン接種への不安を抱く人が多い中で疑問などを解消したいと、7月から相談会を始めた。
インターネット上には「ワクチンを打つと2年後に死ぬ」といった情報もあり、「何を信じていいか分からない」などの声も聞かれる。大規模接種会場ではスムーズな接種が優先され、西さんは「(接種後の副反応を)不安に感じている人の話を十分に聞き切れていない」と指摘する。