タリバンへの政権移譲、日本としても認識と総理

 反政府勢力・タリバンが首都カブールに入り、大統領府を制圧。全土を事実上掌握したアフガニスタンの問題について、菅義偉総理は16日「タリバンが首都カブールへの入域によって、現地政権は機能しなくなっている」と語った。

 そのうえで「今後、タリバンへの政権移譲が見込まれると我が国としても認識している」と述べ「政府としては現地の最新情報を把握しながら、米国など関係国と連携して対応している」と語った。

 タリバンの大統領府制圧を前にガニ大統領は早々に国外(隣国)に脱出したことが報じられていた。米国はカブールの米大使館をすでに閉鎖。韓国も「大使館職員含め全員17日午前に退避した」(聯合ニュース)。日本の大使館職員も国外退避へ。

 戦場のカメラマンで知られる渡部陽一氏はツイッターで「約20年前のアフガニスタンに逆行。タリバンに関わる国際テロ組織アルカイダの動きも世界規模で拡散する可能性」と警鐘を鳴らした。17日のツイッターでは「退避する市民がアメリカ軍監視下にあるハミド・カルザイ国際空港に殺到。隣国へ抜ける陸路のルートはタリバンが支配。周辺国はアフガニスタン国境を封鎖」と発信している。

 日本共産党志位和夫委員長は17日「アフガン政権崩壊はテロに報復戦争で対応することがいかに愚かな誤りかを示した」とツイッター発信。

 そのうえで「日本共産党は2001年9月17日の国際書簡で、テロを糾弾するとともに、国連を中心に容疑者の告発、制裁措置等、法による裁きを通じた解決を求めた」ことを伝え「警告を無視し、戦争に訴えた米国、加担した日本政府の責任は重い」と今日に至った状況への責任を提起した。タリバンへの対応を含め、国会で日本の姿勢を示す必要が政府にはある。(編集担当:森高龍二)

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