〝女子レスリングの父〟日本レスリング協会・福田富昭会長が勇退へ「次の世代に道を譲りたい」

日本レスリング協会・福田富昭会長

日本レスリング協会の福田富昭会長(79)が、会長職を勇退する意向であることが18日までに分かった。東京五輪を終え「次の世代に道を譲りたい」と意志を固めた。

福田会長は2003年に会長に就任。今年6月の役員改選で「東京五輪が終わるまでは福田氏で」との周囲の強い声に押され、10期目を迎えていた。節目の五輪を終えたことで、新たな人材に後を託す決意で、すでに日本協会に辞任届を提出している。9月の理事会で承認され、後任を決める見通し。

レスリング発展に辣腕(らつわん)を振るった。1984年ロス五輪フリースタイル監督など男子の強化に加え、女子の発展普及に貢献。「レスリング=男子」の印象しかなかった80年代初頭に女子選手の可能性に着目し、日本で半ば強引にスタートした。周囲の懐疑的な視線のなか、私財を投じて合宿所をつくり、当時人気絶頂の全日本女子プロレスに協力を依頼。オーディション出場者やプロレスラーの卵をスカウトし、プロレスラーのジャガー横田をコーチに呼ぶなど大胆な手法で競技者数を増やした。

また、国際レスリング連盟(現世界レスリング連合)で副会長を務めるなど、国際舞台でも行動力を発揮。女子の五輪種目入りを推し進め「女子レスリングの父」とも呼ばれた。

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