吉村大阪府知事 教育現場でクラスター起これば「子供の学びの場を犠牲にして大人を守る」

吉村洋文大阪府知事

大阪府の吉村洋文知事(46)が18日、大阪府庁で定例会見を開催した。

府では新たに2296人が新型コロナウイルスに感染。前日の1856人に続き、2日連続で過去最多を更新した。吉村氏は「感染状況は非常に厳しい状況が続いている。感染対策の徹底をお願いしたい」と呼び掛けた。

会見に先立ち行われた新型コロナウイルス対策本部では、デルタ株による感染の急拡大を受け、府立学校での修学旅行の原則延期や、部活動の合宿や他行との練習試合の延期を決定。会見では、学校教育における2学期の休校の可能性についても質問があった。

自身も学校に通う子供を持つ親である吉村氏は「子供の学びの場は重要。休校にすることは重要な判断で容易にすることではない」とした上で、教育の場でクラスターが起こり、子供の世代から親の世代に感染が逆流するような事態になれば、「子供たちの学びの場を犠牲にして大人たちを守るという判断になる」と述べた。

そのような状況を「いいとは思っていない。できれば避けたい」と何度も強調した上で、可能性の検討は必要と主張。「そういうことが起きないとありがたいが、デルタ株の状況を見ると、まったく起きないとも言い切れない。オンライン授業の準備もやってくださいと言っている。これだけ市中感染が広がる中で学校が始まるのは初めての経験。学校で広がったときにどうするかという議論は今しておかないといけないが、分科会とかで議論にならないのが疑問だ」と話した。

大阪では第4波の5月、大阪市が見切り発車気味に独自のオンライン授業を導入したが十分に機能せず、保護者から不満の声が上がった。

吉村氏は、他の社会活動の現場より教育現場からの感染拡大が顕著にみられる場合、休校などの措置に踏み切る考えを示した上で、「子供の学びの場は保証したいと思っている。きっちりモニタリングしたい」と語った。

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