雲仙温泉街で発見された亀裂 経過観測へ 避難者、帰宅時期見通せず

 長崎県雲仙市小浜町雲仙の雲仙温泉街の山手で見つかった亀裂について、市は18日、県が亀裂の幅などの変化を測定する機器を設置し、経過観測すると発表した。市は「安全が確認できるまで避難が必要」としており、住民が帰宅できる時期は見通せない。
 温泉街周辺ではこれまでに、雲仙地獄北側の「八万地獄地区」山中と、約210メートル北にある「古湯地区」の市水道施設がある山中の地表面でそれぞれ亀裂が見つかり、古湯地区の住民を中心に避難している。
 国土交通省の専門家らが16日に現地を調査。市によると、国交省は古湯地区は地滑りの可能性があり、八万地獄地区は経過観察が必要で「両地区の住民は安全が確認できるまで避難が必要」との見解を示したという。このため県は、二つの亀裂周辺(県有地)に機器を設置し観測を始める。データを収集、分析し避難住民が帰宅できる時期を判断する。
 安否不明者の捜索が続く「小地獄地区」では、土砂の崩落部分にさらに崩れやすい箇所が見つかり、監視を強化する方針。古湯地区や新たに確認された新湯地区の崖崩れ現場は大きな災害につながる恐れは低いという。
 一方、安否不明の森保啓(やすひろ)さん(67)の捜索は18日も計約230人態勢で続けられた。森さんの車を発見したが、森さんは見つからなかった。

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