魚沼基幹病院(新潟県南魚沼市)の病院長などに対し、新潟県がガバナンスに関する改善指示

魚沼基幹病院(新潟県南魚沼市)が令和元年12月に小出労働基準監督署から宿日直許可に関する労働基準法第37条違反などの指摘を受けたことに関し、今年5月18日付で指定管理者である一般財団法人新潟県地域医療推進機構が「機構及び魚沼基幹病院のガバナンスに関する検証報告」を新潟県に報告した。これを受けて県は19日、新潟県地域医療推進機構に対してガバナンスに関する改善指示などを行った。

具体的には、県は病院長・病院事務部において、課題解決に向けた努力が不足していたことなどから、結果的に労働関係法令の違反状態が継続することになり、「病院運営上の重大な支障」や「利用者、地域住民等に重大な損害」を生じさせるような事態には至っていないものの、そうした結果を生じさせかねない組織上の問題があったことが認められたとして、魚沼基幹病院の病院長や事務部長に対し法令遵守を含む内部統制、リスク管理体制の強化および再発防止に向けた取り組みを徹底することを指示した。

また、機構事務局においては、経営のノウハウについての知識・スキルの向上に関する努力、経営上の課題の把握や解決のための仕組みが不足したことなどから、結果的に「公務上の重大な支障」や「県民等に重大な損害」を生じさせるような事態には至っていないものの、そうした結果を生じさせかねない組織上の問題があったことが認められたとして、県は魚沼基幹病院の理事長や業務執行理事、機構事務局に対し、法令遵守を含む内部統制、リスク管理体制の強化および再発防止に向けた取り組みを徹底することを指示した。

一方、平成29年度から令和元年度に県の福祉保健部長の職にあった職員に対し、新潟県の花角英世知事から厳重注意を行った。なお、平成28年度以前の福祉保健部長は既に退職しているという。

宿日直とは、夜間や休日に医療従事者が何らかの業務のために医療機関に滞在することで、当直時間を時間外労働時間(残業時間)から外すためには労働基準監督署から宿日直許可を受ける必要があるが、魚沼基幹病院は宿日直の許可申請が取れていない違反状態が続いていた。

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