千葉真一さんが嘆いた〝悪夢の民主党政権〟 映画界衰退は「事業仕分けが原因」

日本映画界の行く末を案じていた

俳優の千葉真一さんが19日午後5時26分、千葉県君津市内の病院で亡くなった。82歳。新型コロナウイルスに感染し、入院していたという。

所属事務所は「肺炎が悪化したため8日から入院。酸素吸入を続けている状況だったが回復に至りませんでした」と発表した。

生前、千葉さんは日本の映画界を憂いていた。

「日本の映画製作が衰退したのは事業仕分けが原因だ!」

日本の映画業界はアジアの中でも中国、韓国におくれを取っていると言われている。国家事業で映画製作に取り組んでいて、文化芸術を「不要不急」とする日本とは雲泥の差だ。千葉さんはそんな日本の映画業界の衰退を10年前から見抜いていた。

かつて取材に応じた千葉さんは「最近の日本映画はまったくダメになってしまった。それも麻生(太郎)政権から民主党政権になり、映画制作費が減ってしまったからなんだよ。麻生政権は漫画やアニメなど、コンテンツ制作の支援を訴えていた。それが民主党政権になって、いったん白紙に戻された。いまや日本の映画作りは完全に韓国、中国に後れをとっているよ」と嘆いていた。

当時の民主党政権が打ち出した「事業仕分け」により、映画への助成金が減少したことを指摘していた。

千葉さんは韓国映画や中国(香港)映画に出演。「撮影の仕方も全くなっていなかったし、楽屋もひどいもんだった。小さい机にテントだよ。吹きさらしのところで着替えたんだ。それがいまや立場逆転。若い人たちが映画を作れる日本になって欲しいね」

千葉さんの無念は後輩たちが晴らして欲しい。

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