電撃移籍の巨人・中田翔へ 古巣・日本ハムに漂う「期待」と「憂い」

さっそく全体練習に参加した巨人・中田(右)

まさかの電撃移籍に、古巣の反応は――。20日に日本ハムから巨人へ無償トレードで移籍した中田翔内野手(32)を巡り、日本ハム内からはさまざまな声が聞こえてきた。

この日の午前10時にに入団が発表されると、わずか1時間後には都内の球団事務所で会見を行った中田。さらに3時間後の14時には、古巣の後輩・田中のユニホームを借りてグラウンドに姿を現し、チームに即合流するなど、まさに激動の一日となった。

急転直下の出来事に、古巣内にも衝撃が走った。日本ハムの球団関係者は「そりゃもちろん、大半の選手たちは、一般のファンの人と同じくらいめちゃくちゃ驚きましたよ(笑い)」と、発表当時の様子を回顧。スピード移籍の背景などから、中田本人からチームへの直接のあいさつはかなわず、意図せずして不義理な形で東京へ渡ることとなってしまったが「北海道の方たちに向けて、北海道であいさつをするっていうのは必要だったかなと思いますが…。選手に限って言えば、ほとんどの選手はいろいろと事情を察していますし、『なんで自分たちにあいさつしてくれなかったんだ』なんて気持ちは持ってないと思いますよ。どちらかというと『巨人に行ったらどれくらい活躍できるかな?』とか『東京ドームなら本塁打は何本打つかな?』とか、すでに関心は〝巨人の中田翔〟に向いてますよ」とも明かした。

ただ、別の関係者は中田へのある心配点も口に…。“身から出たさび”とは言え、ネット上では中田に向けられた過剰な人格否定や誹謗中傷の言葉が多く並んだ。「今はネット上の誹謗中傷が激しくて、個人の人生を終わらせるまで追い込むこともある。当然、中田がやったことは悪いことですが、当事者の選手とはすでに和解している。反省はし続けなければならない一方で、これから先は必要以上の罵声や心ない言葉で気持ちが折れないかは心配ですよ」(球団関係者)。

自らの野球人生を身を挺して守り抜いてくれた人たちに恩返しをするためにも、中田は不屈の闘志ではい上がっていくしかない。

© 株式会社東京スポーツ新聞社