中田翔の巨人電撃加入にライバル球団は「やっぱりか」と白旗

巨人・原監督は中田をどう再生させるのか

この選択は必然だったのか――。日本ハムから巨人に電撃移籍した中田翔内野手(32)に、セ・リーグのライバル球団からは「やっぱりか」との声が飛び出した。

20日、同僚に暴行を働いたとして出場停止処分中だった中田の巨人入りが決定。入団会見を終えると「背番号10」の練習着姿で東京ドームで練習を行った。ライバル球団の編成担当は開口一番、「驚きました」と、原巨人の聖域のなき補強に度肝を抜かれたという。

その一方で「やっぱりかという思いは強い。原監督でなければ火中の栗は拾えない。今の12球団を見渡して、中田に言うことを聞かせられる監督は原監督だけだった」と移籍先として巨人は意外ではなかったと明かした。

もちろんコンプライアンスに厳しい巨人の現状では、獲得にはハードルが高いとの見解が一般的だった。「全権監督である原監督の『自分なら中田を再生できる』という自信がなければ獲得は実現しなかったはず」(同関係者)

かつて〝問題児〟とされた選手たちを、うまく操縦し戦力にできたのは、故・星野仙一監督、落合博満監督ら一部の限られた指揮官だった。「中村紀洋にも中日の落合監督だけが言うことを聞かせられた。中村ほどの打者を操縦するには現役時代の実績が必要。三冠王3回の落合監督じゃないとムリだった。実際、その後の楽天、DeNAで中村はそれぞれ問題を起こしている」と別の球界関係者は語る。

現役時代に巨人の4番を務め、監督15年目でリーグ優勝9回、日本一3度を誇る原監督でなければ、やんちゃな選手に言うことは聞かせられないというわけだ。

早ければ21日のDeNA戦(東京ドーム)で〝巨人デビュー〟する。原監督は「非常に強い選手でね、わっしょいの輪に加わってくれたというのはチーム内においても非常に大きいと思いますね」と中田に期待する。

巨人・大塚球団副代表も「原監督の下であれば人としてプレーヤーとして輝きを戻すのでは。原監督は勝負に対して非情というか厳しい。勝負どころでは主力選手でも躊躇(ちゅうちょ)なく送りバントをさせる。監督は特別扱いを絶対にしない人。その中で中田選手がプレーすることで復活するんじゃないか」と今季1割9分3厘、4本塁打、13打点の打棒復活へ期待を込めた。

果たして中田が指揮官の期待にバットで応え、信頼を回復できるか注目だ。

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