【夏の甲子園】巨人・元木ヘッドは踏み台? 近江の “二刀流2年生” 山田陽翔にスカウト熱視線

2日連続で力投を見せた近江・山田

近江(滋賀)の〝二刀流2年生〟がにわかに注目を浴びている。第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)の第7日目(20日)第1試合で、日大東北(福島)を相手に先発した背番号8の右腕・山田陽翔投手(2年)だ。マウンドでは5回4安打2失点で要所を締め、ゲームメーク。チームも8―2で勝利し、3年ぶりの甲子園白星を飾って3回戦進出を決めた。

前日19日の試合でも同じ相手に5回4安打無失点と好投していたが、降雨ノーゲームとなっていた。この日は仕切り直しの連投となり、2日間で計121球を投じるタフネスぶり。打っても4番として8回に適時打を放つなど2安打1打点。投打の中心としてフル回転した。

試合後の多賀章仁監督(62)は「先発の山田が勝ちにこだわり、打たせて取るピッチングをしてくれた」と2年生右腕の働きを称賛。山田自身も「チームが乗っていくためには、やはりテンポ良く打たせて取ることが一番大事。だから打たせていった」と振り返った。

実は〝異色の経歴〟の持ち主でもある。中学時代は「大津瀬田ボーイズ」に所属。2年時に139キロを計測し「スーパー中学生」として話題を集めた。2019年1月にはTBS系バラエティー番組「炎の体育会TV」にも出演。巨人・元木大介ヘッドコーチと番組内で対戦し、自慢の剛球で一飛に打ち取っている。

プロ球団スカウトからも「高校進学後にストレートは最速146キロを計測。スライダーなど縦系の変化球も切れ味抜群だ。小柄な体格だが、小学校時代では捕手だっただけに体幹も強い。シュアな打撃も魅力だし、名門高校で今の時代に珍しい『エース兼4番』を2年生で任されているのは特筆すべき点。何よりも中学でプロの〝クセ者〟を打ち取っている。来年のドラフトに向け、非常に楽しみな逸材」との声が上がる。

今夏の甲子園でブレークの予感も漂う。

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