阪神エース・西勇輝は5連敗 首位キープへが頭が痛い “働き盛り” 世代のスランプ

中日打線に攻略され、汗をぬぐう阪神・西勇輝

阪神は20日の中日戦(バンテリン)に0―6で零封負けし、後半戦再開後、初の連敗となった。深刻なのがエース・西勇輝投手(31)だ。

この日も2回に敵打線に捕まり、5本の長短打を浴び5失点。前回13日の広島戦も初回に4失点するなど序盤の大量失点が目立ち、先発の責務を果たせていない。その後、5回まで投げ切ったが、これで登板5連敗で今季8敗目。「チームに流れを持ってくる投球ができず、申し訳ないです」と肩を落とし、矢野燿大監督(52)も「勇輝がしっかり(チームを)勝たせるというのは、優勝へは絶対必要なんでね。もっとやれることはあったと思うし…」と頭が痛い。

2位・巨人とゲーム差1・5は不変も後半戦以降、終盤へ向けた戦力の上積みが乏しい点が今後への不安材料となっている。事情に詳しい関係者は「開幕時は先発ローテにいた(藤浪)晋太郎もそうだし、実績や経験値のある西勇や岩貞がもうちょっとチームの結果にいい方向に絡んできてくれないと、いずれ苦しくなる」と話し、前半戦はイマイチだった中堅・ベテランの奮起を今か今かと待っている状態だ。

後半戦開幕から1週間が経過。確かに前半戦で3番を打ったマルテや、6勝の助っ人右腕・ガンケルが今後は復帰見込みも、外国人選手には登録枠に制限が常にある。日本球界に慣れつつあるロハス・ジュニアや中継ぎで結果を出し始めたアルカンタラなど、助っ人全員の起用は物理的に不可能。それだけに日本人の主力勢には「そろそろ結果を…」と、関係者もヤキモキしているのだ。

対照的にライバル・巨人はエース・菅野が9月に照準を定め、一軍復帰を目指していることに加え、夏前には米国帰りの山口、20日には日本ハムから打点王3度の中田も獲得と、着々と選手層の厚みが増している。

西勇のみならず投手キャプテンの岩貞、19日のDeNA戦で先発し、結果の残せなかった開幕投手・藤浪などがこのままでは…。〝働き盛り〟の日本人選手の奮起なしではVへの視界もなかなか、開けて来そうにない。

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