【夏の甲子園】智弁学園が横浜に圧勝 小坂監督「こっちは経験豊富。若いチームに負けられん」

横浜打線を抑えた智弁学園・西村王雅投手

第8日の第4試合は智弁学園(奈良)が横浜(神奈川)を投打に圧倒した。東西の強豪対決となった一戦は、智弁学園のプロ注目スラッガー、前川右京(3年)のバットが火を噴いた。4回に中堅フェンス直撃の2点適時打で先制点を叩き出すと、6回には無死一塁からバックスクリーン左に豪快な2ランを放って点差を広げた。投げては西村(3年)―小畠(3年)のWエースの零封リレーで付け入るスキを与えず、5―0で3回戦進出を決めた。

聖地初アーチは手ごたえ十分だった。「荒くならず、丁寧に振っていこうと思った。打った瞬間に行った、と思った。迷いなく振っていけたのがよかった。選抜の時もバックスクリーンに打つと言って打てなかったのでとてもうれしかった」。高校通算35本塁打。1年生から甲子園に出場し、ようやく出た一発。ダイヤモンドを一周する際はうれしさで思わず雄叫びが出たほどだ。

この日は「1番・左翼」で登場し、一発を含む3安打4打点の大暴れ。守備でも反撃の芽を摘む捕殺を決め、攻守に躍動した。

小坂監督も「前川にうまくチャンスが回ってしっかり打ってくれた。2ランが試合を決めたと思う」と胸をなで下ろす。また、倉敷商(岡山)との初戦で3番だった前川の1番起用については「注目されている打者なので初回から横浜バッテリーにプレッシャーを与えられる」と狙いを明かした。

横浜は先発左腕の杉山(1年)をはじめとする1、2年生主体のチームだけに「こっちは経験豊富。若いチームに負けられない気持ちはあった」。前川にも「1年生が来たら見下すくらいの気持ちでいけ!」とハッパをかけ、まさに横綱相撲でひねって見せた。

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