76年朝ドラヒロイン・浅茅陽子の並外れた度胸「若い女の子だったら恋人がいないほうがおかしい」

インタビューで屈託のない笑顔を見せる浅茅陽子

【今週の秘蔵フォト】NHKの人気連続テレビ小説「おかえりモネ」は7月から上京編に入り、ドラマは佳境に入ってきた。宮城・気仙沼市出身の少女が気象予報士を目指すストーリーは、1976年に大人気を呼んだ同ドラマ「雲のじゅうたん」と重なる。

秋田・角館出身のヒロインが1920年代に女性飛行士を目指す姿を描いたもので、主役は当時25歳の浅茅陽子が演じている。ドラマが佳境に入った7月、浅茅は本紙のインタビューに応じている。

「はたから言われるほど人気があるって実感はないんです。私としては朝のヒロインのイメージをそこなわないよう心掛けています」と優等生的発言の一方で、恋人の存在を公言したり、前々年にはヌードカレンダーを発売しており「NHKらしくない」との批判もあったようだ。

それでも「私ほどNHKのヒロインにふさわしい人はいないんじゃないかしら。マジメだし遊ばないし、ホントに」と意に介さないあたりは人並外れた度胸を感じる。さらには「若い女の子だったら恋人がいないほうがおかしいんじゃないかな。恋人というか保護者、兄みたいな、お互いを知り尽くした人はいます。結婚するかどうかは分かりませんけど」と語っている。しかもドラマは放送中。今の時代の朝ドラのヒロイン役には絶対にできない発言だろう。

有名な易学者に芸名をつけてもらったが「私の中には生命力の強い鬼が棲(す)んでいるんですって。だからいい時はグーンと上昇して、悪い時は落ちるらしいんですが“雲”は成功するんですって」と屈託なく笑う。言葉通り「雲の――」は平均視聴率(4月~10月、ビデオリサーチ調べ、関東地区)は40・1%の大ヒット作となり、その後、浅茅は多くの映画・ドラマに出演する人気女優に成長を遂げる。

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